沖島漁業会館

 沖島漁協の概要   


◆ 概 要 

沖島漁業協同組合
〒523−0801
    滋賀県近江八幡市沖島町43番地
  TEL:(0748)33−9511
  FAX:(0748)33−9513

発 足… 前身を含めて100年を超える
 
 正組合員数… 70名(令和5年4月現在)
 準組合員数… 52名(令和5年4月現在)

 島内世帯数の約85%の世帯が加入し、漁業に従事しています。 その水揚げ等を取りまとめる組織として発足いたしました。
 年令構成は50代後半から80代と高齢化が目立ってきており、依然として70代の組合員が一番多いのですが、今年度(令和5年度)から後継者育成事業として行っている長期研修を終えた30代の準組合員が加わったことで平均年齢は少し下がったものの、深刻な後継者不足は早急な課題として続いています。
 漁獲量は、琵琶湖漁業全体の約4割の漁獲量を揚げており、琵琶湖の漁業協同組合の中でも中心的な役割を担っています。
◆ 主な漁業

明治中期から昭和40年頃までは、蜆漁が盛んでしたが、昭和36年頃から、工場排水や家庭排水等により琵琶湖の水質が急激に悪化したため、蜆の漁獲量は激減し廃れてしまいました。

現在は、小型定置網(えり)、沖曳網、刺網、沖すくい網漁などの漁法により、アユ、ワカサギ、スジエビ、ニゴロブナ、ウロリ(ゴリ)、イサザ、ビワマス、ハス、ウナギ漁等が主に営まれています。

漁の形態は漁船で行うものが主で、ほとんどは夫婦で漁を行っています。また、季節ごとの琵琶湖の変化・湖魚の種類により、様々な漁法で漁を行っています。
※ 漁法の詳細は“漁の春夏秋冬”をご覧ください。




◆ 琵琶湖を守るための漁業

◇ 外来魚の捕獲
 外来魚であるブルーギル、ブラックバス等は、その旺盛な食欲で琵琶湖の在来魚やその稚魚を食い荒らすため、その異常繁殖に伴って、琵琶湖漁業および琵琶湖の生態系まで深刻な影響を与えています。
 沖島漁協では、琵琶湖を守るための漁業として年間50〜60t当りの“外来魚の捕獲”を行い、在来魚貝類の食害を防ぎ、琵琶湖の水産資源回復・環境保全に努めています。
 また最近では『島の活性化』に役立てようと、外来魚の栄養価に着目し外来魚を原料とする“ペットフード”を開発し、事業として立ち上げました。さらにペットフード事業の一環として“沖島を外来魚コロッケで元気に!”という企画を発案し、“沖島よそものコロッケ”として商品化し販売しています。
※『ペットフード』については生産に値する需要が少なくなったため、ただいま製造販売を中止しております。
◇ 種苗放流、資源管理型漁業
 琵琶湖のアユ漁は、食用鮮魚としてばかりでなく、河川放流用や養殖用としての漁も行っています。また、漁業調整規則等で規定されている採捕禁止期間や全長制限等の公的資源管理措置を遵守し、資源の状況に対応した漁業(資源管理型漁業)を推進しています。これらの取り組みにより琵琶湖の水産資源回復および環境保全に努めています。

◆ 未来への取組み

 近年、沖島でも高齢化が進み、組合としても深刻な問題です。これは、漁業だけで生計を立てるのは難しく、島の外へ働きに出なければならないことも一つの原因と考えます。 そこで、新たな取り組みとして、島で獲れた魚を島で加工し販売すること、および観光事業に力を入れていくこと等を行なっていきます。
◇ 沖島で獲れた“ニゴロブナ”を使って島で加工した“鮒寿し”販売事業
  (H24年春から)

◇ 観光では、“観光地引網”、“ふなずしの漬け込み体験”等
   各種イベントの計画
◇ 外来魚を原料とした“ペットフード事業”(H22年7月から)
  またペットフード事業の一環として“沖島よそものコロッケ”の販売
  (H23年秋から)
◇ ビワマス・ホンモロコ安定出荷体制整備パイロット事業への参加

  《リジョイス冷凍機》
 滋賀県漁業協同組合連合会が事業主体となる『ビワマス・ホンモロコ安定出荷体制整備パイロット事業』への参加を決定いたしました。この事業は、高品質なビワマス・ホンモロコの冷凍品を漁期以外に県外市場に安定供給することを目的とするものです。
 具体的には、沖島漁協に高品質冷凍設備“リジョイス冷凍機”等を設置し、沖島で水揚げされたビワマス・ホンモロコを冷凍品として加工します。高品質冷凍は、短時間で冷凍でき、細胞の破壊が起こらず高い品質で冷凍できる方法です。
 今後、滋賀県漁協協同組合連合会と連携し、高品質なビワマス・ホンモロコの供給体制の確立を目指します。
◇ びわこ環境保全活動組織
 沖島漁業協同組合では、母なる琵琶湖に感謝をし、琵琶湖の恵みを次の世代に受け継いでいくために、環境保全活動の一環として『沖島周辺の湖岸清掃』および『鮒ずし手作り講習会』を開催しています。
◇ 『後継者育成事業』への参加
 『後継者育成事業』は、平成29年度から3年間、滋賀県、滋賀県漁連が主体となり、琵琶湖の漁業の未来の担い手となる後継者を育成することを目的して始動する事業です。研修希望者は一般公募で募り、沖島漁協はその指導者として参加し、漁業体験研修、本格的な技術を学べる実地研修を行い、新規就業者の確保に努めて参ります。
 H27年12月には、試験的な目的で10日間程度行われる講習に沖島も指導者として協力いたしました。この試みで本格的な始動に向け模索し、事業の成功へとつながるよう協力していきたいと思います。
 令和5年度には、“後継者育成事業”の一環として、漁協組合長のもと、国が行う3年間の研修制度に参加し頑張ってみえた青年が研修を終え、新米漁師としてひとり立ちされ、準組合員となりました。
 このように少しずつではありますが、実績もでてきています。依然として沖島漁協でも後継者問題は年々深刻化していますが、今後も先祖から受け継いできた沖島の漁業を守り、琵琶湖の恵みを次世代に受け継いでいくためにもこの事業に積極的に参加していきます。


《参考文献》
 ・「滋賀の水産」(平成20年) 滋賀県農政水産部水産課
 ・「浜の活力再生プラン」

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