2024年度・夏
今年は全国的に平年より短かった梅雨が明け、沖島も本格的な夏を迎えました。今年は梅雨の最中から暑さ厳しい日があり、梅雨明けと同時に猛暑に見舞われるなど、昨年と同様に早い時期から“夏”を感じさせる日が多く、年々“夏”が長くなっているような感じを受けます。
そんな夏を迎えている沖島ですが、今年の夏はこの時期には珍しく晴れた日でも北風がふく日があります。これは琵琶湖特有の風と思われますが、そのような日は過ごしやすく日陰に入ると心地よさも感じます。以前から、夏に沖島を訪れる方々からは「沖島は少し気温が低いのでは…」というお声を耳にしたり、毎年恒例となった「ふなずし手作り講習会」に参加される方々からも「沖島は過ごしやすいね♪」と言うお話をよくお聞きしたりしておりましたが、全国的に“危険な暑さに注意”と取り沙汰されるなか、改めて、琵琶湖に暮らす恩恵を感じる夏となりました。
しかしながら、その一方では梅雨が明けてから雨らしい雨が降っておらず、琵琶湖の水位も−20cmを超えてきており、このまま水位が下がり続けると9月頃始まるアユの産卵時期に影響が出るのではと懸念しております。昔は8月の地蔵盆を過ぎる頃から涼しくなり、夏の日照りで蒸発した湖水も台風などの降雨で補われ水位も上がるとされてきましたが、今年は10月まで猛暑が続くのでは…という予報も出されており、心配がつきない夏でもあります。
そんな中、毎年恒例となりました「ふなずし手作り講習会」も今年で16年目を迎え、全日程を滞りなく無事に開催させていただくことができ、感謝するとともに安堵いたしております。また、今年も大変ご盛況をいただき、喜びと充実感、そして継続していくことへの手応えをも感じさせていただく講習会となりました。
そんな夏を迎えている沖島からこの夏の話題をお届けいたします。
今年も大盛況に感謝です♪…『ふなずし手作り講習会』
毎年、ご好評をいただいております琵琶湖汽船・沖島漁協共同企画『ふなずし手作り講習会』を今年も7月3・6・9・12・15・18・21・24日の日程で開催致しました。今年も講習会のマイクを握ると拍手が起こるなど和気あいあいとした雰囲気の中、トラブルもなく活気あふれる8日間となりました。また、今年の講習会も大変多くの皆様にご応募いただき、ご盛況をいただきましたことに感謝申し上げるとともに、全日程を滞りなく終えることができましたことも参加者皆様のご理解とご協力の賜物と併せて感謝申し上げます。
鮒ずしの材料となる「塩切り鮒」については、今年はサイズや卵の抱え方がなど魚の状態が一番良くなる3月に入ってから漁を始めました。前半は沖びき漁の獲れが悪く、魚の状態も卵の抱え方が薄いなどあまり良いものが揃いませんでしたが、後半は刺し網漁が順調で魚の状態も比較的良いものが獲れだしたことから、全体としては平年並みの目標量確保となりました。しかしながら、目標量は確保できたものの前半の沖びき漁で獲れた魚は質としては少し落ちるものの、目標量確保のためには含まざるを得なかったため、全体的な材料の質としては“良い”とは言えません。このことは今年の大きな反省点でもありますが、何分にも“漁”というものは自然が相手のため、反省しきれないことでもあります。サイズや卵の抱え方のばらつきはあるものの、今年も美味しく漬け上がってくれることを願うばかりです。
今年の講習会も猛暑の中での開催となったことから、大型扇風機やスポットクーラーなどの暑さ対策をさせていただき、「熱中症予防」を心がけていただくよう、声かけをさせていただきながら進行させていただきました。
講習会の内容は、毎回10:20頃より始まり、午前中は塩切り鮒を洗い(磨き)、吊るし干しする作業をしていただきます。乾かしている間、昼食をとっていただき、午後(13:30)から漬け込み作業をしていただきます。15時までには漬け込み作業が完了し講習会終了となります。
「昼食タイム」は漁協会館2階を昼食会場とし、“沖島の味満載のお弁当(有料・要予約)”をご用意させていただきました。今年は実演販売も再開させていただき“アユの塩焼き(有料)”をご用意させていただきました。また、よく冷えたビールなども販売させていただき、冷たいビールとともに“沖島の味”を楽しまれる方々もお見えになりました。
鮒ずしを漬け込んだ樽は、お持ち帰りしていただくか、または漁協にて保管(有料)させていただきます。保管させていただいた樽は、食べ頃になった頃に樽から鮒ずしを取り出し、一尾ずつ真空パックにしたものをダンボールに入れてご自宅へお送り致しております。鮒ずしは発酵食品ですので、少しずつ発酵が進みますが、真空パックのまま冷凍保存していただければ、食べ頃の状態のまま長期保存ができます。講習会で漬け込みまでしていただけば、樽だしする手間もなく長期保存できるので、より手軽に鮒ずし作りを楽しんでいただけるのではないでしょうか♪ 年々、漁協での保管を希望される方も増えており、今年も130樽ほどを沖島で保管させていただきます。
昼食タイムの“沖島の味満載のお弁当”
(右の写真はお弁当の内容です)
沖島産の
“湖魚の若煮”
“きゅうりの酢の物”
“豆ご飯”
“えび豆コロッケ”
“小アユ天ぷら”
“バスのフライ
(自家製タルタルソース)”
“琵琶湖産鯉の煮付け”
“大中産スイカ”
この講習会で漬け込んだ「鮒ずし」は、これからの気候にもよりますが、例年11月下旬食べ頃を迎え、毎年「鮒ずし手作り講習会の鮒ずしは食べやすい♪」とのお声を頂戴し、大変ご好評をいただいております。今年は例年より魚が獲れる時期が若干遅くなりましたが、大勢に影響はなく、この猛暑で発酵も順調に進むと思われることから、今年も11月下旬頃からずれても12月始めには漬けあがり、樽だしできるのではないかと思います。
この講習会でご紹介している「漬け込み方」は、どなたでも手軽に「鮒ずし作り」を楽しんでいただきたいと“現代のライフスタイルや住環境に考慮した漬け込み方法”として編み出された方法で、漬け込んでから密閉状態のまま保管することにより、水替えの手間や外部への臭いの発生を心配することなく漬け込んでいただくことができます。また、雑菌や虫害などの影響も受けにくくなっております。
「ふなずし手作り講習会」は今年で16年目を迎えました。当初は講習会で「ふなずし」の漬け方を学び、「塩切り鮒」を購入していただいて、ご家庭で「ふなずし」を漬けていただくことを目的として始めましたが、「今年も来たよ♪」とか「毎年、講習会でワイワイしながら漬けるのが楽しい♪」など、回を重ねるにつれ毎年の講習会を楽しみにしてくださる方々が多くなり、“夏のイベント”として定着してきているように感じます。なかには「16年通ってますよ♪」とおっしゃるリピーターの方や「今年も来ました♪」と握手を求めてくださる方など、“今年はどんなお客様がどんな笑顔をみせて下さるのだろう♪”と私どもも毎年楽しみであり、そのような参加者皆様のお声にますますのやりがいを感じ、心強く大きな励み、支えとなっています。
しかしながら、その一方では漁協スタッフの高齢化とともに継続していくこと自体が簡単なことではなく、その不安も年々大きくなっている現実もあります。“とりあえず20周年(回目)を目指し、記念イベントをしたい!”というのが私どもの今の目標です。年々回りのサポートも良くなり、スタッフみんなが要領を心得、みんなが主役で進めていけるような状態が起こりつつあり、運営面もとても良い状態で内外ともに“誇れるイベント”にもなってきました。また、漁協としての水揚げ量が漁師の高齢化とともに減ってきている今、その分を講習会の利益でカバーしており、講習会をなくす訳にはいかないのも現状です。“誇れる大きなイベントとして定着してきているうえ、財政面まで支えてくれる”・・・そんな講習会に有難さを感じるとともにますます大事にしていきたいという強い思いを新たにしております。
今年の講習会も大変多くの方にご応募いただき、募集とともにほぼ定員が埋まってしまうなど、大変なご盛況をいただきましたこと、喜びとともに感謝申し上げます。また、そのためご希望に添えなかった皆様には心よりお詫び申し上げます。今年もリピーターの方が多いものの、初めての方もお見えになり、年齢層や参加形態も多岐に渡る多くの方々に“私どもが推奨するふなずしの漬け込み方”を学んでいただきました。このことは未来につながる手応えとなり、継続していくことの大きな励みを頂きました。そして、この講習会を通して多くの方にこの漬け込み方が広まり、再び“鮒ずし”が昔のように各家庭で漬け込まれる身近な食品となれば、嬉しい限りです。これからもそんな未来につながるよう、琵琶湖の伝統文化を引き継いでいく担い手として、励んで参りたいと思います。
※ 講習会で行っている「漬け込み方法」をご紹介しています。
こちらをご覧下さいませ・・・『“おいしいふなずし”漬けてみませんか♪』
今年の夏の漁は…心配なことばかりです
今年も例年より短かった梅雨が明け、漁の様子も“夏の漁”へと移り変わりました。今年は梅雨が明けてから雨らしい雨が降っておらず、琵琶湖の水位も−20cm(7/31時点)を超えてきており、このままの状態が続くと漁に何らかの影響がでるのでは…と懸念されるところです。
そのような琵琶湖の状況に加え、この夏の漁は「心配な材料ばかり…」と言わざるを得ない状況です。
春から始まった“小アユ漁”は最盛期を終えましたが、春から通して言えるのは“獲れなかった”ということです。このことは心理的にもダメージが大きく、高齢化によって気力が落ちてきているところに拍車をかける結果となっています。今までなら漁に出られただろうと思われる天候でも大半の漁師が休んでしまうため、出漁日数が減少し一日あたりの水揚量が多くても日数が少ないため、全体としての水揚量は減少しています。また、春の話題でも取り上げましたが、水産試験場のデータによれば今年は例年の2〜3割しかふ化が確認されておらず、試算として資源の維持には70〜80億個のふ化がないと安定しないされており、それからみても2〜3割は14〜16億個のふ化しかないことになり、人工河川の34億個のふ化を合わせても40億個、試算の半分強と推測されます。このことは、多いときは100億個近くのふ化が確認されることもあり、そのことからも今年は明らかに少なく、特に天然由来のアユが極端に少なかったことは、昨年の夏からの異常気象により懸念されていたことが現実となった状況と言えます。
“こあゆ山椒入り若煮”
また、ふ化数が少なかったことは小アユ自体にも反映されています。ふ化数が少なかったことにより、成長期に餌を豊富に得ることができたためか、今年の小アユはサイズが大きく例年の4〜5倍の大きさとなっています。小アユは「佃煮」などに加工されることが多いため、大きくなり過ぎたことは商品価値を下げてしまい、収入面にも大きな影響が出ています。水揚量の減少による収入減に加え、商品価値の低下による収入減は私ども漁師にとって大きな痛手となります。
このように今年の“小アユ漁”は総じて「不漁だった」と言わざるを得ません。更に懸念されるのは天然由来のものは10億にも満たないのではないか…ということです。水揚量は重量で示されるため、重量としては14〜16億と推測されるかもしれませんが、今年の小アユはサイズが極端に大きかったことから、尾数的にはもっと少なかったのでは…と推測できるからです。天然由来のものはその時々の環境にって大きな影響を受けることからも、この夏の猛暑が来春の“小アユ漁”にどのような影響をもたらすのか…今から心配がつきません。
夏に最盛期を迎える“ビワマス漁”も心配がつきない状況となっています。今年のビワマスについては水産試験場のデータでは資源的にはいると報告されていますが、沖島漁協の水揚量は減っています。このことは高齢化によりビワマス漁をする漁師が減ったことによるもので10隻から5、6隻にまで減ってしまいました。ビワマス自体は最盛期で大きさ的にも結構良い状態で、昨年の極端に悪かった状況に比べ今年は一隻あたりの水揚量は多いようですが、沖島漁協全体としては減少しているのが現状です。
ビワマス刺身“琵琶湖のトロ”
また、7月20日より解禁となった“ウロリ漁”は、極端に悪いような印象はなく、本格的に獲れだすのはお盆過ぎですが順調にいくのではないかと思います。“ウロリ漁”は“小アユ漁”をしていた漁師の大半が“ウロリ漁”に替わるため、漁の隻数も昨年並みに揃うと思われ今後の水揚げは期待できると思われます。しかしながら、こちらも沖島漁協全体としては高齢化による縮小は否めないのが現状です。
今が旬“うろり若煮”
この冬から不漁続きだった“スジエビ漁”は豊漁まではいきませんが、それなりに獲れるようになり危機的な状況からは脱したと思います。また引取単価も上がっていることから、これからに期待したいところです。
その他“ホンモロコ漁”は、この夏、沖島では漁を行っていません。かつては“夏もろこ”と呼ばれ、夏の需要も多かったのですが、最近は需要が減ったことによるものです。
秋から本格的になる“ワカサギ漁”ですが、この夏のえり漁に小さいものがたくさん入ってくるとことから、この秋の“ワカサギ漁”は期待できるのでは…と思われます。わかさぎはえり漁が終わると網に入ってしまうこともなくなり、本格化する秋に向けてどんどん成長していきます。漁自体は“小アユ漁”を終えて“わかさぎ漁”に替わる漁師もいることから既に行われているのですが、今獲れるものは小さく商品価値も低くなっていますが、10月頃からの漁は手応えがあるものになるのではないでしょうか。
このような今年の夏の漁の様子からも、今年は心配が尽きない夏となっていますが、その中でも救いとなっていることは、湖魚それぞれの単価が昨年に比べ上がってきていることです。そのため、水揚量は減少したものの、水揚げ金額は減少していないので現状維持ができている状況です。しかしながら、このことは最近の諸物価高騰に伴う値上がりであり、湖魚の需要が伸びたからではないことは悲しい限りです。ここのところ、あらゆる湖魚の需要が減ってきており、ビワマスについては需要が上がっているようにみえますが、これも獲れないことにより単価が上がってるためで需要が伸びてるわけではないと思われます。このビワマスのように極端な単価の値上がりは、琵琶湖の天然ウナギのように庶民の手には届かないものとなり、更なる湖魚の需要の低下を招くのでは…と懸念されます。
ここまで夏の漁の様子などをご紹介して参りましたが、自然を相手とする生業の難しさは元より、高齢化による継続の難しさを実感する夏となりました。漁業という自然に左右される仕事柄、なかなか後継者の育成も難しく、年々高齢化による漁協の縮小は否めないのが現状です。そのため、春の話題でも掲載いたしました“琵琶湖をひとつにする”いわゆる“漁協の合併”にも取り組んで参りましたが、こちらも難航しており、難しい状況です。今後の沖島漁協は、どうなっていくのか心配はつきませんが、これまでの伝統や琵琶湖の恩恵を引き継いでいくために、少しずつでも好転していくよう前向きに取り組んで参りたいと思います。
★ 沖島漁協婦人部“湖島婦貴の会”では、ご家庭でお気軽に湖魚の佃煮など“沖島家庭の味”を楽しんで いただきたく、『通信販売』も行っております。ぜひ、こちらもご利用くださいませ。
詳しくはこちら・・・通信販売「沖島“家庭の味”宅配便」
「塩切り鮒の予約販売」…ご好評いただき感謝申し上げます♪ 毎年恒例となりました「塩切り鮒(ふなずしの材料)の予約販売」は、今年も大変ご好評をいただき完売させていただきました。
今年は諸々の材料費が上がっているため、やむを得ず販売価格を見直しさせて頂きましたが、例年と変わらぬご愛顧を頂き、ご理解を頂けたと安堵するとともに感謝申し上げます。
予約販売をさせていただく“塩切り鮒”は、今春3〜4月頃に沖島で水揚げされた新鮮な琵琶湖産天然の“ニゴロブナ”を丁寧にウロコと内臓をとり、3ヵ月程度塩漬けにしたものです。この時期に獲れる“ニゴロブナ”は卵を抱えており、「ふなずしの材料」として最も美味しいとされています。
この“塩切り鮒”を使っていただけば、ふなずしの漬け込みで最も手間のかかる塩切り(塩漬け)までしてありますので、あとは夏の土用の頃(9月頃まで可能)までに漬け込みをしていただけば、年末年始頃にはご家庭で手軽に“自家製ふなずし”を楽しんでいただけると思います。
また、予約販売の「塩切り鮒」で使う“ニゴロブナ”は、沖島で昔から受け継がれている場所で漁をしており、深いところで獲るので水圧により身がしまっています。それを新鮮な状態で持ち帰り、生きている間に塩切り状態にするという、この一連の流れは沖島ならではの利点であり、鮒ずし作りにおいて最高の材料となります。予約販売開始以来、リピーターの方も多く、毎年ご好評を頂いていることは、沖島の塩切り鮒の品質の良さを実感して頂いている証だと喜びとともに今後につながる励みを頂いております。そして、今後とも皆様の期待にお応えしていけるよう品質の維持・向上に努めて参りたいと思います。
沖島の夏は、初夏の頃から、ビワマス、ウナギ漁が始まり、7月に入ってウロリ漁も最盛期を迎えると、いよいよ夏本番です。 “カラフルな漁網”
漁網の手入れは日々行いますが、漁網の染色は、夏の暑い時期に行います。夏の日差しが染色した漁網をよく乾かしてくれるからです。
最近は、カラフルな色に染め上げるのが流行で、港のあちらこちらに漁網のカラフルな花が咲きます。夏到来を告げる風景のひとつです。
“ふな寿司の漬け込み”
夏の土用の暑い日に鮒寿司の漬け込みをします。春に卵を抱えた“ニゴロブナ”をウロコと内臓を取って塩漬けしておいたものを、いよいよ米飯で漬け込むのです。
夏の土用の頃に行うのは、ふな寿司は最初に発酵を進めることが重要で、この夏の暑さが最適だからです。
こうして、漬け込まれたふな寿司は、11月下旬〜年末年始にかけて食べ頃を迎えます。
今年も“ふな寿司の手作り講習会”を行いました。写真をクリックすると講習会で行っている「漬け込み方法」を御覧いただけます。
《桶に漬け込まれていくふな寿司》
写真をクリックして下さい
“ウロリの若煮(佃煮)”&“ウロリの釜揚げ”
夏に漁の最盛期を迎える“ウロリ”は、“ゴリ(ヨシノボリの稚魚)”のことで、この辺りでは“ウロリ”と呼びます。成魚になっても1.5cmくらいのそうめんのように細く白い小魚です。
“ウロリの若煮”は、沖島で水揚げされたウロリを昔から沖島の漁師の家庭に受け継がれている炊き方で炊き上げたものです。佃煮より短時間で炊き上げるので、柔らかく、また水飴等も使わないので、甘辛くてもあっさりとした味に仕上がります。暑くて食が進まない時にも、ご飯が進む一品です。
“ウロリの釜揚げ”は、ウロリが新鮮なうち(水揚げされて1時間以内)に釜揚げにしていただきます。ウロリは鮮度が落ちるのが早く、まさに漁の最盛期を迎える夏にしか味わえない一品です。
※“ウロリの若煮”は漁協婦人部湖島婦貴の会の屋台(漁協会館前)で販売中です
“うなぎの蒲焼き・白焼き”
琵琶湖産天然うなぎは、特大サイズのものが多く、肉厚で脂がとても良くのっています。夏のこの時期は、蒲焼き・白焼きが絶品です。
特に白焼きは、うなぎ本来の味を楽しむことができます。また、ポン酢・生姜醤油で味わうのも、さっぱりしていて暑い夏にピッタリの一品です。
《うなぎを炭火で焼いています》
《ビワマスの刺身の調理例》
“ビワマスの刺身”
琵琶湖では、夏の始め頃から“ビワマス漁”が盛んになります。特に夏に獲れるビワマスは全身に脂がのり、刺身は“琵琶湖のトロ”と言われるほどの味わいです。
“うなぎのじゅんじゅん”
“じゅんじゅん”とは、この地方で言う“すき焼き”のことです。作り方は一般のすき焼きと同じですが、肉類等のかわりに“うなぎ”を入れます。食べ方も一般的なすき焼きと同様、溶き卵にからめたりして頂きます。
また家庭では、写真のようにいろいろな具材を入れるのではなく、玉ねぎとうなぎだけですき焼き風にしたりもします。
《うなぎのじゅんじゅんの調理例》
《参考文献》
「琵琶湖の幸 読本」 平成19年9月発行 滋賀県漁業協同組合