夏の沖島    2023年度・夏 
 今年は早い時期から全国的に猛暑に見舞われる中、沖島も暑さ厳しい夏を迎えました。8月に入ってからはずっと晴天が続いており、雨らしい雨は降っていないため暑い空気が充満しているような感じを受けます。琵琶湖の水位も現在(8月3日時点)−30cmを超しており、このまま状態が続くと漁に何らかの影響が出るのではと懸念しております。
 そんな中、毎年恒例となりました「ふなずし手作り講習会」も今年で15年目を迎え、全日程を滞りなく無事に開催さ
せていただくことができ、感謝するとともに安堵いたしております。また、今年は昨年を超す樽数となるなど大変ご盛況をいただき、喜
びと充実感、そして未来への手応えをも感じさせていただく講習会となりました。
 また、今年は4年ぶりに何の「行動制限」もない夏を迎え、猛暑の中でもかなりの観光客の方がお見えになり、なかでも外国からの観光客の方が例年より多いように感じられます。
 そんな夏を迎えている沖島からこの夏の話題をお届けします。
  令和5年・夏の話題  
 
◆ Part1 ◆

 今年も大盛況に感謝です♪…『ふなずし手作り講習会』

 毎年、ご好評をいただいております琵琶湖汽船・沖島漁協共同企画『ふなずし手作り講習会』今年も7月5・8・11・14・17・20・23・25日の日程で開催致しました。今年は4年ぶりに何の制限もない中での開催だったこともあり、参加者の皆様とのコミニュケーションもとりやすく、今年も和気あいあいとした雰囲気の中、活気あふれる8日間となりました。また、今年も大変多くの方々にご参加いただき、樽数では過去三番目の樽数となった昨年を超え、約270ほどの樽数となりました。今年も大変ご盛況をいただき、滞りなく全日程を終えることができましたこと、ご参加者皆様のご理解とご協力の賜物と感謝申し上げます。
 今年も鮒ずしの材料となる「塩切り鮒」の目標量確保のため、2月下旬頃から“ニゴロブナ漁”を始め、豊漁だったことから「鮒ずし手作り講習会」や「塩切り鮒予約販売」に必要な量を早い時期に確保することができました。また、今年は魚のサイズや状態も良好で、大きさの揃った卵をたっぷりはらんでいるものをご用意させていただくことができました。今年の出来栄えが楽しみです。

 今年の講習会では、4年ぶりにコロナ禍による制限はなくなったものの猛暑の中での開催となったことから、大型扇風機やスポットクーラーなどの暑さ対策をさせていただき、より一層の「熱中症予防」を心がけていただくよう、声かけをさせていただきながら進行させていただきました。
 講習会の内容は、毎回10:20頃より始まり、午前中は塩切り鮒を洗い(磨き)、吊るし干しする作業をしていただきます。乾かしている間、昼食をとっていただき、午後(13:30)から漬け込み作業をしていただきます。15時までには漬け込み作業が完了し講習会終了となります。
 「昼食タイム」は漁協会館2階を昼食会場とし、“沖島の味満載のお弁当(有料・要予約)”をご用意させていただきました。よく冷えたビールなども販売させていただき、冷たいビールとともに“沖島の味”を楽しまれる方々もお見えになりました。

昼食タイムの“沖島の味満載のお弁当”
(右の写真はお弁当の内容です)

“えびコロッケ”
“小アユフライ”
“バスのフライ
(自家製タルタルソース)”

“ビワマスとじゃがいもの煮付け”
夏みかんゼリー



沖島産“湖魚の若煮”

沖島の“鮒ずし”
 鮒ずしを漬け込んだ樽は、お持ち帰りしていただくか、または漁協にて保管(有料)させていただきます。保管させていただいた樽は、食べ頃になった頃に樽から鮒ずしを取り出し、一尾ずつ真空パックにしたものをダンボールに入れてご自宅へお送り致しております。鮒ずしは発酵食品ですので、少しずつ発酵が進みますが、真空パックのまま冷凍保存していただけば、食べ頃の状態のまま長期保存ができます。講習会で漬け込みまでしていただけば、樽だしする手間もなく長期保存できるので、より手軽に鮒ずし作りを楽しんでいただけるのではないでしょうか♪ 年々、漁協での保管を希望される方も増えており、今年はこれまでで最も多い160樽ほどを沖島で保管させていただきます。

 この講習会で漬け込んだ「鮒ずし」は、これからの気候にもよりますが、例年11月下旬食べ頃を迎え、毎年「鮒ずし手作り講習会の鮒ずしは食べやすい♪」とのお声を頂戴し、大変ご好評をいただいております。これは「漬け込み方」と材料となる「塩切り鮒」によるものではないかと思います。
 この講習会でご紹介している「漬け込み方」は、どなたでも手軽に「鮒ずし作り」を楽しんでいただきたいと“現代のライフスタイルや住環境に考慮した漬け込み方法”として編み出された方法で、漬け込んでから密閉状態のまま保管することにより、水替えの手間や外部への臭いの発生を心配することなく漬け込んでいただくことができます。また、雑菌や虫害などの影響も受けにくくなっております。そして、何より鮒ずしの材料となる「塩切り鮒」によるものではないでしょうか。この「塩切り鮒」で使う“ニゴロブナ”は、昔から受け継がれている場所で漁をしており、深いところで獲るので水圧により身がしまっています。それを新鮮な状態で持ち帰り、生きている間に塩切り状態にするという、この一連の流れは沖島ならではの利点であり、鮒ずし作りにおいて最高の材料となります。これらのことが相まって、何も手を加えず自然の素材をそのまま活かしきることが、美味しさに繋がり、芳醇で柔らかな香りのとても食べやすい“鮒ずし”に仕上がるのではないでしょうか♪

 講習会は今年で15年目となりましたが、リピーターの方が多いものの、参加者の方々の年齢層、参加形態も年々多岐にわたるようになり、特に今年は若い方々の参加も多く、外国の方もお見えになりました。ご参加いただいたイタリア人の方からは「ふなずしは“上質なチーズ”のようだ♪ 美味しい♪」と、またリピーターの方からは「また来たよ♪」などと声をかけていただくなど、回を重ねるごとに充実感を感じてきておりましたが、今年は、より一層の喜びと充実感、そして未来につながる手応えを強く感じ、継続していくことの励みを頂戴いたしました。また、今年度から漁協職員が1名増えたことにより、講習会の準備や段取りなどがとてもスムーズになり、講習会の雰囲気を良くする大きな要素となりました。年々、講習会スタッフの体力的な問題が課題となっていましたが、こちらも未来につながる大きな励みとなりました。そして、この講習会を通して多くの方にこの漬け込み方が広まり、再び“鮒ずし”が昔のように各家庭で漬け込まれる身近な食品となれば、嬉しい限りです。これからもそんな未来につながるよう、琵琶湖の伝統文化を引き継いでいく担い手として、励んで参りたいと思います。

※ 講習会で行っている「漬け込み方法」をご紹介しています。
 こちらをご覧下さいませ・・・
『“おいしいふなずし”漬けてみませんか♪』


 湖島婦貴の会”の販売商品が増えました♪…東京日本橋『ここ滋賀』

 昨年に引き続き今年も5月6・7日に東京日本橋の滋賀県アンテナショップ「ここ滋賀」にて、沖島漁協婦人部“湖島婦貴の会”の「小あゆ若煮」の実演販売を開催させていただきました。大変多くの方々にお越しいただき、感謝申し上げます。
 このたびも大変ご好評いただき、
新たに“鮎山椒入り若煮”に加え、“えび豆”、“鮒ずし”、“えびコロッケ(冷凍)”も常設販売させていただくこととなり、販売を開始致しました。
 “鮎山椒入り若煮”、“えび豆”は沖島で漁協婦人部「湖島婦貴の会」が炊いたものを真空パックで、“ふなずし”は沖島で漬けた鮒ずしをスライスして真空パックにしたものを直送し販売いたしております。また、これまで島内でしかご賞味いただけなかった“えびコロッケ”は、加熱(揚げる)前のものを冷凍食品として直送し販売いたしておりますので、ご家庭でも“揚げたてアツアツ”の『沖島の味』をご賞味いただけるようになりました。
 販売開始から既に多くの方々にお買い求めいただき、大変嬉しく思っております。このたび販売商品が増えましたことで、沖島の漁師の家庭で受け継がれてきた“沖島の味”をより一層身近に感じていただき、琵琶湖の魚の美味しさをお届けできたら幸いです。
 お近くにお越し際は
『ここ滋賀』にぜひ、お立ち寄り下さいませ♪

※写真はイメージです。
えび豆味のコロッケ
“揚げたてアツアツ”の
“沖島の味”をご家庭で・・・♪
 びわ湖沖島湖魚若煮
“あゆ山椒”
内容量80g \720-
びわ湖沖島湖魚若煮
“えび豆”
内容量80g \720-
びわ湖沖島
“鮒ずし”
内容量30g \720-
“えびコロッケ(冷凍)”
6個入り \720- 

 沖島漁協婦人部“湖島婦貴の会”では、ご家庭でお気軽に湖魚の佃煮など“沖島家庭の味”を楽しんで
 いただきたく、通信販売も行っております。ぜひ、こちらもご利用くださいませ。
 詳しくはこちら・・・通信販売「沖島“家庭の味”宅配便」


◆ Part2 ◆

 “ウロリ漁”順調♪ “ビワマス漁”は…

 今年も暑い夏を迎え、漁の様子も“夏の漁”へと移り変わりました。今年は梅雨が明け8月に入ってからも雨らしい雨が降らなかったため、琵琶湖の水位も−30cm(8月3日時点)を超しており、このままの状態が続くと漁に何らかの影響がでるのでは…と懸念されていましたが、今後の台風などの天候が琵琶湖にどのような変化をもたらすかは注視するところであります。
 そんな状況の中、夏に最盛期を迎える“ウロリ漁”は、今年も例年通り7月20日から解禁となり、昨年より良い滑り出しだったことから、漁の始まりとしては順調といえるのではないでしょうか。琵琶湖の渇水状態は魚にとってよくありませんが、獲れているということは資源(ウロリ)としてもいると思われ、今後、雨が降れば、もっと獲れるようになり一気に漁獲量が上がると思います。しかしながら、ウロリは11月頃になると琵琶湖の深いところへ潜ってしまい獲りづらくなることから、漁としては10月初旬頃までは獲れますが、需要がなくなれば9月と言えども他の漁に切り替えることとなります。そのため、今年の資源量を漁獲量から推測することはなかなか難しいのが現状です。
 その他“ホンモロコ”、“スジエビ”に関しても引き続き資源は安定していると思われます。
 “ホンモロコ”については資源は大量にいると思われますが、現在あまり需要がないため漁が行われておらず、水揚げ量としては減少しています。以前は夏に獲れるホンモロコは“夏もろこ”と言われ脂がのって美味しいことから「高級魚」として多くの需要がありましたが、最近の食物の多様化などにより需要が減少しています。このことは湖魚全般に通して言えることです。昔は「地産地消」で琵琶湖の魚は多くは県内で消費され、ホンモロコなど「高級魚」とされる魚は料亭や京都、大阪などに出荷されていました。しかしながら、家族構成の変化(少人数化)などにより県内で消費される量も減少し、食物の多様化や輸入品などによる海水魚の低価格化などの影響もあり琵琶湖の魚の需要は減少しています。また、湖魚は鮮度を保ったまま流通させるのが難しく、「琵琶湖の魚はどこで買える?」などという声も聞かれ“入手のしづらさ”も一因となっていると思います。このような現状から“湖魚の流通化”を図っていくことは容易なことではなく「琵琶湖の資源が回復し獲れるようになったが、獲っても売れないから獲らない。」という状況が続いています。
 また、“スジエビ”も資源的に安定している思われ、漁のほうも好調で過去数十年の中でも一番安定しているのでは…と感じています。このスジエビに関しては需要と供給のバランスがとれており、獲れた量がそのまま売れ、その売れた量をまた獲るというバランスをとりながら漁ができています。このように獲りたい量を安定して確保できるということは資源的にも安定しているということを示しているのではないでしょうか。

ビワマス刺身“琵琶湖のトロ”
 その一方で、“ウロリ漁”と同じく夏に最盛期を迎える“ビワマス漁”は不漁となっています。今年は“50年に一度”と言われるほどの不漁です。この危機的な状況から行政機関にも確認し説明を求めたところ、「資源量はある(ビワマスはいる)」という回答のみで何故獲れないかの回答は得られませんでした。では、ビワマスはどこにいるのでしょうか?
 “ビワマス漁”は、毎年ビワマスが集まる水深15〜20mの層に網を入れて行うのですが、今年はそこにはいないようで獲れない状況が続いています。しかしながら、「釣り(許可制)」ではかなり獲れているとの情報があり、釣りは水深27〜30mのところで行っていることから、今年のビワマスは例年より深い層に移動しているようなのです。このことは推測するに「餌の影響ではないか?」と思います。「春の話題」でご紹介しましたように今年は琵琶湖の「小アユ」が極端に少ない状況であり、ビワマスとっても「餌が少ない」状況です。そのため、ビワマスは小アユ以外に「ヨコエビ」という甲殻類も食べることから、餌を求めて例年とは違うところに移動し身を潜めているのではないかと思われます。また、この状況は天候にも影響されており、琵琶湖に波風が立っていないために潮の流れが起こらず、水の層が動かないためビワマスが好む水温の層に留まり続けていることも要因となっていると思います。台風や降雨などにより琵琶湖が攪拌され水温の層が変化すれば、そのタイミングで魚も動くと思われ、状況も変わると思いますが今の時点では言い切れず、「獲れていない」ということだけが言い切れる現実です。
 ここまで、この夏の漁の様子をご紹介して参りましたが、この春の“小アユ漁”の危機的な状況といい、夏の“ビワマス漁”の状況といい、今まで経験したことのないようなことが起こり、改めて実感するのは「自然を相手にすることの難しさ」です。何十年と漁を営んできましたが、未だに発見があり「自然を相手にする」ということは“一生勉強”だと思っております。これからもこの自然界から色々な経験・発見をさせてもらうだろうと思いますが、“嬉しい経験や発見”が多くなることを願い、沖島の漁業を未来に繋げていく担い手として励んで参りたいと思います。



 この春、危機的な状況だった“小アユ漁” その後は…


“小アユの沖すくい漁”
 今年の「春の話題」で取り上げました“小アユ漁”の危機的な状況は、好転することを願っておりましたが、願いもむなしく夏になっても不漁が続いています。
 琵琶湖のアユは春に河川を遡上して大きくなるアユと、そのまま琵琶湖で生活し大きくならないアユがおり、その大きくならないアユが「小アユ」と呼ばれています。今年の極端な不漁は色々な説がありますが、今年はプランクトンの発生が多く餌が豊富にあったことなどから魚の成長が早く大型化したこと、梅雨後半の雨量が多かったため河川の水量も多くなったこと、これらのことが相まって大半のアユが河川に遡上し、例年では遡上しない河川にまで遡上してしまったようです。その結果、琵琶湖に残ったアユが極端に少なかったことから、このように極端な不漁となりました。
 この要因の1つである「今年はプランクトンの発生が多かったこと」は“琵琶湖の環境の安定化”にあると思います。近年の琵琶湖は昔に比べ、琵琶湖総合開発などによる琵琶湖の縮小化や琵琶湖に流れ込む排水などにより環境が変化してきています。水質の改善には至りませんが、今年は梅雨後半の雨量が多かったことにより琵琶湖の水が希釈されため生物にとって毒性のあるものも希釈され、プランクトンも発生しやすい状況となったのではないかと思われます。しかしながら、この“琵琶湖の環境の安定化”は、このような意味での“安定化”であり昔の環境に戻ったということではありません。

“こあゆ山椒入り若煮”
 「春の話題」でご紹介したように「資源(湖魚)的にはいる」という見解は正しかったのかもしれませんが、このように琵琶湖の中で漁が成り立たない状況は漁業者にとっては大きな痛手であり、モチベーションの低下にも繋がってしまいます。琵琶湖の小アユは晩夏から秋にかけて河川に上って産卵し、ふ化し生まれた稚魚は琵琶湖に戻ってきます。その稚魚は「氷魚(ヒウオ)」と言われ、今年も12月頃から“氷魚(ヒウオ)漁”が始まります。この“氷魚(ヒウオ)漁”が手応えのあるものになることを願うばかりです。そして、この“琵琶湖の恵み”である湖魚たちを多くの方々に知っていただき、味わっていただけるよう、取り組んで参ります。

 「漁業会館 建替え(リフォーム)計画」順調に進んでます♪

“現在の漁協会館”
 先の「春の話題」でも取り上げました『漁業開館 建替え(リフォーム)計画』は、現在、この春に県を通して国へ提出した「予算化に向けての要望書」が国のもと審議されていることと思います。この審議が無事に通り許可が下りれば補助金が認められ、「リフォーム計画」を具体的に進めていけることとなります。ここまで大きな問題も発生することなく順調に進んでいることは、より一層、新『漁協会館』完成に向けての期待が膨らむところです。
 この『建替え(リフォーム)計画』の主な目的は、「建物の耐震化」と「レストランなどの開設」です。“沖島を存続させていきたい”という願いのもと、『沖島の未来につながる拠点』として生まれ変わらせることを目指しております。建物の耐震化を図ることで安全を確保し、レストランなどでゆっくり“沖島の味”を楽しんでいただき、ここから島の散策に向われたり、散策のお帰りに立ち寄って『テラス』などでゆっくり休憩していただける・・・そんな観光拠点となればと期待しております。そして、観光客の方々に、より一層快適に過ごしていただけるような場所を提供し島が賑わえば、それは島の活性化へとつながり、しいては“沖島の存続”にもつながっていくことと期待しております。この先も「リフォーム計画」が順調に進んでくれることを願うばかりです。

  

 沖島の夏は、初夏の頃から、ビワマス、ウナギ漁が始まり、7月に入ってウロリ漁も最盛期を迎えると、いよいよ夏本番です。  
“カラフルな漁網”
 漁網の手入れは日々行いますが、漁網の染色は、夏の暑い時期に行います。夏の日差しが染色した漁網をよく乾かしてくれるからです。
 最近は、カラフルな色に染め上げるのが流行で、港のあちらこちらに漁網のカラフルな花が咲きます。夏到来を告げる風景のひとつです。

 
“ふな寿司の漬け込み”
 夏の土用の暑い日に鮒寿司の漬け込みをします。春に卵を抱えた“ニゴロブナ”をウロコと内臓を取って塩漬けしておいたものを、いよいよ米飯で漬け込むのです。
 夏の土用の頃に行うのは、ふな寿司は最初に発酵を進めることが重要で、この夏の暑さが最適だからです。
 こうして、漬け込まれたふな寿司は、11月下旬〜年末年始にかけて食べ頃を迎えます。

 今年も“ふな寿司の手作り講習会”を行いました。写真をクリックすると講習会で行っている「漬け込み方法」を御覧いただけます。
“ここをクリック” 
      《桶に漬け込まれていくふな寿司》
  写真をクリックして下さい

夏ならではの味  

  “ウロリの若煮(佃煮)”&“ウロリの釜揚げ”
 夏に漁の最盛期を迎える“ウロリ”は、“ゴリ(ヨシノボリの稚魚)”のことで、この辺りでは“ウロリ”と呼びます。成魚になっても1.5cmくらいのそうめんのように細く白い小魚です。
 “ウロリの若煮”は、沖島で水揚げされたウロリを昔から沖島の漁師の家庭に受け継がれている炊き方で炊き上げたものです。佃煮より短時間で炊き上げるので、柔らかく、また水飴等も使わないので、甘辛くてもあっさりとした味に仕上がります。
暑くて食が進まない時にも、ご飯が進む一品です。
 “ウロリの釜揚げ”は、ウロリが新鮮なうち(水揚げされて1時間以内)に釜揚げにしていただきます。ウロリは鮮度が落ちるのが早く、まさに漁の最盛期を迎える夏にしか味わえない一品です。
※“ウロリの若煮”は漁協婦人部湖島婦貴の会の屋台(漁協会館前)で販売中です
“うなぎの蒲焼き・白焼き” 
 琵琶湖産天然うなぎは、特大サイズのものが多く、肉厚で脂がとても良くのっています。夏のこの時期は、蒲焼き・白焼きが絶品です。
 特に白焼きは、うなぎ本来の味を楽しむことができます。また、ポン酢・生姜醤油で味わうのも、さっぱりしていて暑い夏にピッタリの一品です。


  
 《うなぎを炭火で焼いています》


         《ビワマスの刺身の調理例》 

“ビワマスの刺身”
   琵琶湖では、夏の始め頃から“ビワマス漁”が盛んになります。特に夏に獲れるビワマスは全身に脂がのり、刺身は“琵琶湖のトロ”と言われるほどの味わいです。
“うなぎのじゅんじゅん”
 “じゅんじゅん”とは、この地方で言う“すき焼き”のことです。作り方は一般のすき焼きと同じですが、肉類等のかわりに“うなぎ”を入れます。食べ方も一般的なすき焼きと同様、溶き卵にからめたりして頂きます。
 また家庭では、写真のようにいろいろな具材を入れるのではなく、玉ねぎとうなぎだけですき焼き風にしたりもします。


 《うなぎのじゅんじゅんの調理例》

《参考文献》
「琵琶湖の幸 読本」 平成19年9月発行 滋賀県漁業協同組合

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“揚げたてアツアツ”は 格別です♪