夏の沖島    2022年度・夏 
 今年は異例の早さで「梅雨明け」となり、その直後には、これまた異例の猛暑にみまわれ、この夏の水不足が心配されるなど、各地で先行きが危ぶまれる夏の幕開けとなりましたが、沖島ではそこまでの猛暑とはならず、比較的落ち着いた夏の幕開けとなりました。その後、“戻り梅雨”といわれた雨が続き、「酷暑」という言葉を耳にするようになった頃から沖島でも本格的に暑い夏を迎えています。
 そんな中、毎年恒例となりました「ふなずし手作り講習会」も今年で14年目を迎え、今年もコロナ禍での開催となりましたが、全日程を滞りなく無事に開催さ
せていただくことができ、感謝し安堵するとともに、今年はふなずしの全漬け込み樽数が過去三番目となるなど、喜
びと充実感も感じさせていただきました。また、今年は3年ぶりに「行動制限」のない夏ということからか、観光客の方もたくさんお見えになり、島の様子も久しぶりに活気が戻るなど、全体的に“充実と活気”を感じる夏を迎えています。しかし、その一方で各地の記録的豪雨、今後の感染拡大の状況や物価高騰などによる漁業や生活への影響など、“不安を拭いきれない夏”でもあります。
 そんな夏を迎えている沖島からこの夏の話題をお届けします。

 
令和4年・夏の話題

 『ふなずし手作り講習会』…順風満帆♪ 感謝です

 毎年、ご好評をいただいております琵琶湖汽船・沖島漁協共同企画『ふなずし手作り講習会』今年も7月7・9・11・13・15・19・21日の日程で開催致しました。今年もコロナ禍での開催となりましたが、全日程を無事に開催できましたことは、参加者皆様のご理解とご協力の賜物と感謝申し上げます。また、今年で14年目となりますが、今年は過去三番目の樽数(講習会以外も含む)となり、延べ400名近い方々にご参加いただきましたことに感謝致しますとともに、多くの方々が琵琶湖の伝統食である「ふなずし」に関心をよせて下さったことに継続してきたことによる手応えと充実感を感じ、今後の励みとなりました。
 今年もここ2・3年の状況を踏まえ、鮒ずしの材料となる「塩切り鮒」の目標量確保のため、2月20日頃から漁を始めたものの3月10日頃までは不漁で目標量を減らさなければならないのでは…と心配されましたが、3月20日頃から順調に獲れ始め、4月前半には目標量に達し異例の早さで必要量を確保できたことは驚きとともに安堵いたしました。しかしながら、3月末から4月前半に集中して獲れ必要量確保が早かったこともあり、今年の塩切り鮒は形は揃っているものの卵のはらみ具合がやや小さめとなりました。このことは、未だ卵が成長過程の段階で必要量が確保できてしまったためと思われ、5月頃まで漁を続ければ卵のはらみ具合が大きいものが獲れたかもしれませんが、「琵琶湖の恵みを無駄にしない」という理念からも必要以上に獲ることは控えさせていただきました。何卒、ご理解・ご容赦くださいませ。また、コロナ禍での開催ということもあり、今年も講習会が中止となった場合、“琵琶湖の恵み”である鮒を無駄にしないために「漁協による代理漬込(有料)」または「材料販売」のどちらかを選択し、材料の買取をお願いする旨を募集要項に加えさせていただきました。誠に勝手なお願いにも関わらず、大変多くの方にご応募いただきましたことは、“琵琶湖の恵み”への感謝の気持ちに共感していただけたものと大変嬉しく思い、今後の講習会継続において大きな励みもいただきました。

 講習会は、今年も新型コロナウイルス感染対策のため、会場内の換気を徹底し、マスク着用、アルコール消毒などをお願いし、参加者皆様のご協力のもと大変和やかな雰囲気のなか、進行させていただくことができました。講習会の内容は、毎回10:20頃より始まり、午前中は塩切り鮒を洗い(磨き)、吊るし干しする作業をしていただきます。乾かしている間、昼食をとっていただき、午後(13:30)から漬け込み作業をしていただきます。15時までには漬け込み作業が完了し講習会終了となります。
 昼食タイムは、漁協会館2階を昼食会場とし、例年は沖島の味満載の定食や焼きながら提供する“本もろこの素焼き(有料)”などをご賞味いただいておりましたが、今年も昨年同様、新型コロナウイルス感染対策のため、“沖島の味満載のお弁当(有料・要予約)”をご用意させていただき、調理しながらの提供は中止させていただきました。お弁当ということもあり、屋外でお弁当を楽しまれる方もお見えになりました。

昼食タイムの“沖島の味満載のお弁当”
(右の写真はお弁当の内容です)

“ビワマスの煮付け”
“えびコロッケと
バスのフライ”

沖島産“湖魚の若煮”

沖島の“鮒ずし”
 鮒ずしを漬け込んだ樽は、お持ち帰りしていただくか、または漁協にて保管(有料)させていただきます。保管させていただいた樽は、食べ頃になった頃に樽から鮒ずしを取り出し、真空パックにしたものをダンボールに入れてご自宅へお送り致しております。鮒ずしは発酵食品ですので少しずつ発酵が進みますが、真空パックで冷凍保存していただけば、食べ頃の状態のまま長期保存ができます。年々、漁協での保管を希望される方も増えており、より手軽に鮒ずし作りを楽しんでいただけるのではないでしょうか♪

 今年は早い梅雨明けとともに各地で猛暑に見舞われるなど、開催日の天候が懸念されましたが、今年の開催日全日程とも暑過ぎず、大雨にもならず…と、お天気にも恵まれ、参加者皆様のご協力のもと大変和やかに滞りなく進行させていただくことができました。参加者の方々においては、今年もリピーターの方々が圧倒的に多かったものの、初心者の方々もお見えになり、特に印象に残ったのは「お母さんと僕」というような親子連れの方々や若い女性のグループの方々が多く参加されていたことです。以前から鮒ずしに馴れ親しんでいる方々に加え、このような若い世代の方々など幅広い世代の方々が鮒ずしに関心をもって下さることは、琵琶湖の伝統文化を次世代に引き継ぐ担い手として大変嬉しく、今後の励みとなっています。その一方、今年も講習会は「数量限定」のため“抽選方式”とさせていただき、申込多数の場合は抽選とさせていただきました。「もっと数量や日程を増やしては…」というお声もあるかと思いますが、「作業場所が限られていること」や「担い手の高齢化に伴う体力的な問題」などから難しいのが現状です。そのため、ご希望に添えなかった方々にはお詫び申し上げるとともにご理解いただければ幸いです。
 『ふなずし手作り講習会』も今年で14年目を迎えました。今年の総評として思い浮かぶのは“順風満帆”という言葉です。というのも、今年は豊漁により塩切り鮒の目標量確保が懸念することなく早い段階でできたこと、開催日各々がとても和やかでスムーズに進行したこと、コロナ禍での開催にも関わらず多くの方に参加していただけたことなど、今までで最も充実感を感じているからではないでしょうか。また、今年はこの講習会とは別に、ある団体の方々から「夏のイベントとして“鮒ずし漬け込み体験”をさせてほしい」とのご要望があり、お応えさせていただきました。この体験会では子供たちが中心となって漬け込み体験をしていただき、とても真摯に取り組む姿に大変感銘を受け、特に漬け込みに使う「ご飯」をほとんどこぼすことなく丁寧に作業される様子に感動いたしました。このことも、より一層の充実感につながったことと思います。これからも、この充実感を忘れることなく、講習会を通して琵琶湖の伝統文化を引き継いでいく担い手として、励んで参りたいと思います。
※ 講習会で行っている「漬け込み方法」をご紹介しています。
 こちらをご覧下さいませ・・・
『“おいしいふなずし”漬けてみませんか♪』


 夏の漁 最盛期を迎えています。

 毎年7月20日から解禁となる“ウロリ漁”も始まり、今年も夏の漁の最盛期を迎えています。
 この夏は、春から引き続き“スジエビ漁”が豊漁で数年ぶりの手応えに資源的にも戻ってきていることを確信させてくれています。また、夏に獲れるものは「琵琶湖のトロ」とも言われ、最も美味とされる“ビワマス”も7月前半はあまり水揚げがありませんでしたが、19日の大雨で琵琶湖の水温が変化した頃から順調に水揚げされ、形も良いものが獲れています。こちらも資源的にもいると思われることから今後の水揚げが期待されます。

“うろり若煮”
一方、20日から解禁となった“ウロリ漁”ですが、今のところ(7月29日現在)あまり水揚げがなく、解禁になって直ぐに漁を始めた船が数隻ありますが、その漁師からも「今は獲れない」と聞いています。この状況は、まだふ化して間もないため魚が小さく、群れを成していないことが原因では…と思われます。小アユなど琵琶湖の湖魚の多くは、ある程度成長しないと集団(群れ)を形成しない習性があります。現在の状況もそのことが原因であり、資源的にはいると思われることから“ウロリ”がもう少し成長し群れを成すようになれば水揚げも増加してくると思われます。ウロリ漁は例年9月いっぱい頃までは続けられていますが、その後は業者の買取具合によって漁期が変わってきます。最近は買取業者の方も数が減ってきており、業者の方の仕入量も減って昔の10分の

“ホンモロコの南蛮酢漬け”
1くらいになっています。今後の水揚げ量が期待されますが、いくら獲れても買取されなければ採算があわなくなるため漁も出来なくなり水揚げ量にも影響し、水揚げ量の増減は資源的な要因だけではないのが現状です。
 その他、“ホンモロコ漁”、“小アユ漁”も、そこその水揚げがされています。夏に獲れるものホンモロコは“夏モロコ”と呼ばれ、脂がのっていて美味です。ぜひ、夏のホンモロコもご賞味ださい。小アユは、例年のこの時期に比べ、やや小さいため刺し網の網目にかかりにくい状況のようですが資源的にはいると思われます。

 そして今、求められていると思うこと・・・

 最近の漁の状況を通して強く感じるのは、琵琶湖の環境の変化に私ども漁師は如何に素早く反応し、対応していけるが求められているということです。
 昔の琵琶湖の環境は、同じような環境を繰り返してきており、あまり想定外の変化が起きなかったため、私ども漁師も長年培ってきた経験(データ)の中で繰り返し漁を営んで来ました。ところが、2019年、毎年冬になると起きていた“琵琶湖の呼吸”といわれる「琵琶湖の全層循環」が起きず、2019年、2020年と2年続きで起きないという、今まで経験したことのない想定外のことが起こりました。このことにより、琵琶湖の湖底では今までにはない変化が起こり、漁業にも影響を及ぼしています。

    琵琶湖の固有種“ニゴロブナ”
 その一例として挙げられるのが、今年の“ニゴロブナ漁”です。“ニゴロブナ漁”は、例年、「沖びき網漁(底びき網の一種)」での水揚げが圧倒的に多いのですが、今年は「刺し網漁」での水揚げが圧倒的に多かったのです。この漁法による水揚げ量の差は湖底の変化によるものと思われます。
 2019年から2年続きで「琵琶湖の全層循環」が起きなかったことで、琵琶湖の湖底には、ふわふわした柔らかいヘドロ状態の層ができ、3年ほどその状態が続いておりました。このヘドロ層は酸素量が少ないため、ニゴロブナはその上の比較的きれいな部分に生息し冬を越します。そのため、このようなヘドロ層があった時期は「刺し網漁」では刺し網をはめても網に重りがついているため網自体が柔らかいヘドロの中に入り込んでしまい、なかなか魚がかからなかったのですが、「沖引き網漁(底引き網の一種)」では、網にヘドロ状の底泥が入ると網が傷んでしまうこともあり、ヘドロ層の上の部分で網を引くように“うき”を強くするなどの仕掛けをして漁をすることで、ヘドロ層の上に生息する魚たちを獲っていたため、圧倒的に「沖引き網漁」での水揚げが多かったのです。
 そして、2021年の冬、待ちに待った「琵琶湖の全層循環」が起きました。これにより湖底に酸素が運び込まれるため、微生物などの働きによりヘドロ層が分解され層が薄くなるようですが、この時点では、起こった時期が3月後半と遅かったことから4月に入り気温の上昇とともに表面の水温も上昇したため、水深80mの区域までしか循環が確認できず、琵琶湖の広範囲にわたる水深90mの区域では循環が確認できませんでした。そのため、広範囲のヘドロ層は分解されなかったため前年と同じような状況が続き、引き続き「沖引き網漁」での水揚げが多くなりました。
 そして今年、2月1日に「琵琶湖の全層循環」が起きたことが確認され、時期も昨年より早かったことから今年は琵琶湖の最も深い90mのところまで全層循環が浸透したことが確認されました。このことにより酸素も湖底まで十分に行き渡ったことから、ヘドロ層が分解され、かなりの区域で解消されたと思われます。同時に今までヘドロ層の上に生息していたニゴロブナは、ヘドロ層が解消されたことにより湖底まで降りて生息し冬を越したと思われます。そのため、この湖底の変化を想定せず昨年までと同じ仕掛けで行った「沖引き網漁」では、ヘドロ層がないため網が浮いてしまい、魚は網の下をくぐってしまうことから水揚げが減り、「刺し網漁」ではヘドロ層がないことで網がしっかり湖底まで届き、湖底に生息している魚たちが網にかかるため、今年は例年になく「刺し網漁」での水揚げが多くなったものと思われます。
 このような例からも、琵琶湖の環境の変化が昔とは異なり想定外のことが起こるようになった今、私たち漁業者もこの琵琶湖の変化に自らを合わせていくことが求められています。例に挙げた今年のニゴロブナ漁も、この湖底の変化に気づき「沖引き網漁」の網の仕掛けをそれに合わせていれば、前年と同じように「沖引き網漁」のほうが水揚げが多くなっていたのかもしれません。
 そのためには、如何にこの環境の変化をいち早く感じ取り、素早く対応していくかが重要となりますが、この自然の営みは計算できるものではありません。しかしながら、私ども琵琶湖の漁師には琵琶湖とともに生きてきた経験値があります。その体で覚えてきたプロの感覚を生かし、新たな琵琶湖の環境に合わせていくことが、この琵琶湖の漁業の“未来”につながっていくのではないかと思います。

 この夏は、琵琶湖の様子や漁の様子から総じて“順調”といえるのではないでしょうか。ここまでご紹介してきたように様々な課題はありますが、琵琶湖の環境も昔には戻れませんが「昔に似たような環境」になりつつあると感じています。また、水揚げ量は以前に比べ減少してはいるものの、これは漁師の高齢化などによる漁業として問題であり、資源(湖魚)的には戻ってきていると感じているからです。しかしながら、やはり「漁師の高齢化」は深刻で漁師をリタイヤされる方も出てきており、水揚げ量の減少などは漁協の運営にも影響してきております。
 このように課題もいくつかございますが解決策を見い出す取り組みに励みつつ、琵琶湖とともに歩んでいけたら・・・と願う夏です。

※ “ニゴロブナ”の写真は「琵琶湖の幸 読本」平成19年9月発行 滋賀県漁業協同組合連合会より参照 

※ 沖島漁協婦人部“湖島婦貴の会”では、全国の皆様に“琵琶湖の恵み”を知っていただこうと通信販売も行っております。ぜひ、ご利用くださいませ。
 詳しくはこちら・・・通信販売「沖島“家庭の味”宅配便」
 「びわ湖の魚をたべてみよう」

 湖魚の成長が少し遅れているのは・・・

 上記の「この夏の漁の様子」のなかでもご紹介いたしましたように、今年は“ウロリ”や“小アユ”など成長が少し遅いように感じています。この原因として思い浮かぶのは、「琵琶湖が昔より小さくなったからでは…」ということです。現在の琵琶湖は「琵琶湖総合開発」により内湖が埋め立てられ、そのことによる洪水などの災害対策として湖岸のコンクリートによる補強などで昔より小さくなり、琵琶湖の魚たちの生息場所も必然的に少なくなりました。その一方で、近年、琵琶湖の環境が良くなってきたことや放流事業などにより資源(湖魚)が回復してきたため、琵琶湖という器が小さくなってしまった今、湖魚たちは過密状態となり成長に影響を及ぼしているのではないかと思うからです。このことは、昔に比べ漁がしにくくなったことなど漁業にも影響を及ぼしており、しいては漁業従事者の後継者問題にも繋がってきています。
 また、昔に比べ小さくなったことにより、大雨などの自然災害などによっても直ぐに影響を受けるなど壊れやすく安定しない環境になってしまったと思います。現在(7月29日時点)の琵琶湖の水位は7/19日に警報級の大雨が降ったにも関わらず「−20cm」となっています。これは、あらかじめ台風などによる雨量を計算して水位を調整しているため、結果的にマイナスとなっているようです。このように小さくなったことで、常時、水位調整が必要な状況となっています。
 この夏も春に引き続き琵琶湖の状態は全体的に順調だと思います。しかしながら、昔の琵琶湖に戻ることは出来ません。今、私たちに出来るのは自然の営みに合わせながら、今の琵琶湖を維持し、少しずつでも良くしていく努力を続けていくことではないでしょうか。そのためにも琵琶湖に暮らす者として多くの皆様に“琵琶湖の今”を知っていただけるよう情報発信にも努めて参りたいと思います。

 東京日本橋『ここ滋賀』 “鮎山椒入り若煮”の販売を開始♪

  5月7・8日に開催されました東京日本橋の滋賀県アンテナショップ「ここ滋賀」での“小あゆ若煮”実演販売で大変ご好評をいただいたことを受け、このたび、『ここ滋賀』にて湖島婦貴の会“鮎山椒入り若煮(商品名:びわ湖沖島湖魚若煮)”を常設販売させていただくこととなりました。
 沖島で湖島婦貴の会が炊いた“鮎山椒入り若煮”を直送し販売いたしております。販売開始から多くの方々にお買い求めいただき、大変嬉しく思っております。これまで県外の方々にはご来島いただくか通信販売をご利用いただくかの選択肢しかなくご不便をおかけいたしておりましたが、今回の常設販売で少しでもお買い求めいただきやすくなれば幸いです。これからも沖島の漁師の家庭で受け継がれてきた“沖島の味”を通して琵琶湖の魚の美味しさをお届けし、より一層身近に感じていただけるよう励んで参りたいと思います。お近くにお越し際は『ここ滋賀』にぜひ、お立ち寄り下さいませ♪


  

 沖島の夏は、初夏の頃から、ビワマス、ウナギ漁が始まり、7月に入ってウロリ漁も最盛期を迎えると、いよいよ夏本番です。  
“カラフルな漁網”
 漁網の手入れは日々行いますが、漁網の染色は、夏の暑い時期に行います。夏の日差しが染色した漁網をよく乾かしてくれるからです。
 最近は、カラフルな色に染め上げるのが流行で、港のあちらこちらに漁網のカラフルな花が咲きます。夏到来を告げる風景のひとつです。

 
“ふな寿司の漬け込み”
 夏の土用の暑い日に鮒寿司の漬け込みをします。春に卵を抱えた“ニゴロブナ”をウロコと内臓を取って塩漬けしておいたものを、いよいよ米飯で漬け込むのです。
 夏の土用の頃に行うのは、ふな寿司は最初に発酵を進めることが重要で、この夏の暑さが最適だからです。
 こうして、漬け込まれたふな寿司は、11月下旬〜年末年始にかけて食べ頃を迎えます。

 今年も“ふな寿司の手作り講習会”を行いました。写真をクリックすると講習会(H21年度開催)の様子が御覧いただけます。
“ここをクリック” 
      《桶に漬け込まれていくふな寿司》
  写真をクリックして下さい

夏ならではの味  

  “ウロリの若煮(佃煮)”&“ウロリの釜揚げ”
 夏に漁の最盛期を迎える“ウロリ”は、“ゴリ(ヨシノボリの稚魚)”のことで、この辺りでは“ウロリ”と呼びます。成魚になっても1.5cmくらいのそうめんのように細く白い小魚です。
 “ウロリの若煮”は、沖島で水揚げされたウロリを昔から沖島の漁師の家庭に受け継がれている炊き方で炊き上げたものです。佃煮より短時間で炊き上げるので、柔らかく、また水飴等も使わないので、甘辛くてもあっさりとした味に仕上がります。
暑くて食が進まない時にも、ご飯が進む一品です。
 “ウロリの釜揚げ”は、ウロリが新鮮なうち(水揚げされて1時間以内)に釜揚げにしていただきます。ウロリは鮮度が落ちるのが早く、まさに漁の最盛期を迎える夏にしか味わえない一品です。
※“ウロリの若煮”は漁協婦人部湖島婦貴の会の屋台(漁協会館前)で販売中です
“うなぎの蒲焼き・白焼き” 
 琵琶湖産天然うなぎは、特大サイズのものが多く、肉厚で脂がとても良くのっています。夏のこの時期は、蒲焼き・白焼きが絶品です。
 特に白焼きは、うなぎ本来の味を楽しむことができます。また、ポン酢・生姜醤油で味わうのも、さっぱりしていて暑い夏にピッタリの一品です。


  
 《うなぎを炭火で焼いています》


         《ビワマスの刺身の調理例》

“ビワマスの刺身”
  初夏の頃から、ビワマスの漁が始まりますが、夏のビワマスは特に脂がのっています。
 この時期の新鮮なビワマスを、お刺身でいただくと“トロの刺身”といえるほどの味わいです。
“うなぎのじゅんじゅん”
 “じゅんじゅん”とは、この地方で言う“すき焼き”のことです。作り方は一般のすき焼きと同じですが、肉類等のかわりに“うなぎ”を入れます。食べ方も一般的なすき焼きと同様、溶き卵にからめたりして頂きます。
 また家庭では、写真のようにいろいろな具材を入れるのではなく、玉ねぎとうなぎだけですき焼き風にしたりもします。


 《うなぎのじゅんじゅんの調理例》

《参考文献》
「琵琶湖の幸 読本」 平成19年9月発行 滋賀県漁業協同組合

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