夏の沖島    H28年度・夏 


 春、見事に満開の姿をみせてくれた桜も、夏空に映える青々とした葉を茂らせ、暑さに負けない力強さを感じさせてくれています。
 夏到来を告げる“うろり漁”も始まり、沖島の夏もいよいよ本番を迎えました。
 そんな夏の沖島より、今年の話題をお届けします♪
 
 
平成28年・夏の話題
 
 夏到来! ビワマス漁好調、うろり漁解禁♪


ビワマスの刺身 “琵琶湖のトロ”
 今年も沖島に暑い夏がやってきました。島の風景も春の麗らかな風景から夏空の下、力強さを感じる青々とした新緑の風景へと変わり、いよいよ夏本番です。
 今年の夏は、“ビワマス漁”が好調で、サイズの大きなものが水揚げされています。夏に獲れるビワマスは特に脂がのっており、
“琵琶湖のトロ”と称されるほど美味です。また、煮付け・塩焼きなどにしても脂がのっているので、しっとり柔らかに仕上がり、お刺身とは違う味わいを楽しむことができます。

“うろり若煮” ご飯のおともに♪
 その他、夏に最盛期を迎える“ウロリ漁”も解禁となり、少しずつ水揚げされ始めています。解禁当初は、湖の水温がウロリ漁最盛期の温度まで上がっていないことやウロリそのものが成熟していないこと、また、ウロリ漁を始める漁師がまだ少ないことなどから水揚げは少なめですが、最盛期となるお盆の頃には、水温も上がり小アユ漁からウロリ漁へと切り替える漁師も増えることから、水揚げの増加が期待されます。
 また、ウナギやスジエビも水揚げされていますが少ないため、ウナギは大変な高値となっており、スジエビにおいては例年になく深刻な状態です。小アユ漁は今年は獲れるポイントがばらついているため獲りにくいのですが、なんとか例年並みの水揚げを保っていますが、8月21日から禁漁となるため、小アユ漁からウロリ漁へと切り替えていく漁師が増えるため、水揚げは減っていくと思われます。
 以上、この夏の漁の様子をご紹介いたしましたが、最近、一年を通して感じることは、漁師の高齢化・後継者不足に伴う変化が顕著になってきていることです。沖島の漁法は、漁船で行うものが主で、ほとんどは夫婦で漁を行っています。平均年齢も70歳を超え、漁に出る回数も減ってきており、少しずつ漁船の隻数も減ってきています。今後、古くから受け継がれてきた沖島の漁業を、どう守っていくか・・・大きな課題です。
※“うろり若煮”は通信販売でお買い求めいただけます。詳しくはこちらから・・・“沖島家庭の味”宅配便

 今年も大盛況♪ 『ふなずし手作り講習会』


 “塩切り鮒の磨き作業”

 今年も、御好評をいただいています『ふなずし手作り講習会』を琵琶湖汽船との共同企画で、7月6・8・11・14・19・21・24日に開催致しました。今年は目立った雨の日もなく、全日程を滞りなく終えることができました。また、講習会も今年で8年目を迎え、過去最高の約250組を超え総勢500名ほどの方々に参加していただきました。



 “今年の鮒は大ぶりです”

 “磨き上げた鮒を干します”
 講習会は、毎回10:20頃より始まり、午前中は塩切り鮒を洗い(磨き)、物干しに干す作業をしていただきます。乾かしている間、昼食をとっていただき、午後(13:30)から漬け込み作業をしていただきました。年々、リピーターの方が増え、今年は7割ほどの方が経験者で慣れた手つきで作業も進み、「講習会で鮒ずしを漬けるのが楽しみ♪」という嬉しいお声もいただきました。また、初めて参加された方には、スタッフがついてお手伝いさせていただき、作業の遅れなく進めさせていただくことができました。また、今年の鮒は大ぶりなものが多かったので、出来上がりも楽しみです。
 鮒ずしを漬け込んだ樽は、お持ち帰りしていただくか、または漁協にて保管(有料)させていただきます。保管させていただいた樽は、食べ頃になった頃に樽から鮒ずしを取り出し、真空パックにしたものを樽に入れてご自宅へお送り致しております。鮒ずしは発酵食品ですので少しずつ発酵が進みますが、真空パックで冷凍保存していただけば、食べ頃の状態のまま長期保存ができます。年々、漁協での保管を希望される方も増えており、より手軽に鮒ずし作りを楽しんでいただけるのではないでしょうか♪

  お昼は“沖島の味”満載の昼食タイム
 また、昼食タイムには、今年も“沖島どんぶり(ビワマスの刺身・沖島産野菜サラダ・ビワマスのアラ汁・湖魚の若煮付き)”(要予約)、“鮎の塩焼き”(有料)などをご賞味いただき、沖島の味をゆっくり楽しんでいただける一時を過ごしていただきました。

 その一方、今年も開催のご案内と同時にお申込みが殺到し、御希望に添えず多くの方に御了承いただく状況となってしまいました。こうした状況をなんとか改善できないか、模索しておりますが、場所・設備の問題および島民の高齢化などにより開催要員の増員が難しくなってきていることが現状です。しかしながら、今後も少しでも多くの方に参加していただけるよう模索し、この講習会を通して琵琶湖の恵みが次世代に受け継がれていくよう、取り組んで参ります。

 好評♪『塩切り鮒』予約販売

 沖島漁協では、ご家庭で手軽に“鮒ずし作り”を楽しんでいただこうと『塩切り鮒』の予約販売を行っています。今年も多くのご注文をいただき、7月中旬に発送させていただきました。
 
予約販売している『塩切り鮒』は、今春(3月〜4月頃)に漁獲する琵琶湖産天然の「ニゴロブナ」を塩漬け(3ヵ月程度)にしたものです。ご家庭で手軽に“鮒ずし作り”を楽しんでいただけるよう、鮒ずし作りの工程で最も手間のかかる塩切り(塩漬け)までしてありますので、後は夏の土用の頃(9月頃まで可能)に洗って(磨く)、漬け込みしていただけば、年末年始頃には美味しい“鮒ずし”を楽しんでいただけます。
 また、「ご近所への匂いが心配・・・」という方でも鮒ずし作りを楽しんでいただけるよう、マンション等の住環境を考慮した漬け込み方法もご紹介しておりますので、ぜひ、お試しください。
 年々、予約販売のご注文を多くいただくようになり、「ふなずし手作り講習会」で漬け方を学ばれ、ご家庭で鮒ずし作りを楽しまれている方も増えているのでは・・・と嬉しく思うと同時に今後の励みとなっております。
※ マンション等の住環境を考慮した漬け込み方法は「塩切り鮒の予約販売」のページからご覧いただけます。“塩切り鮒の予約販売


  

 沖島の夏は、初夏の頃から、ビワマス、ウナギ漁が始まり、7月に入ってウロリ漁も最盛期を迎えると、いよいよ夏本番です。  
“カラフルな漁網”
 漁網の手入れは日々行いますが、漁網の染色は、夏の暑い時期に行います。夏の日差しが染色した漁網をよく乾かしてくれるからです。
 最近は、カラフルな色に染め上げるのが流行で、港のあちらこちらに漁網のカラフルな花が咲きます。夏到来を告げる風景のひとつです。

 
“ふな寿司の漬け込み”
 夏の土用の暑い日に鮒寿司の漬け込みをします。春に卵を抱えた“ニゴロブナ”をウロコと内臓を取って塩漬けしておいたものを、いよいよ米飯で漬け込むのです。
 夏の土用の頃に行うのは、ふな寿司は最初に発酵を進めることが重要で、この夏の暑さが最適だからです。
 こうして、漬け込まれたふな寿司は、11月下旬〜年末年始にかけて食べ頃を迎えます。

 今年も“ふな寿司の手作り講習会”を行いました。写真をクリックすると講習会(H21年度開催)の様子が御覧いただけます。
“ここをクリック” 
      《桶に漬け込まれていくふな寿司》
  写真をクリックして下さい

夏ならではの味  

  “ウロリの若煮(佃煮)”&“ウロリの釜揚げ”
 夏に漁の最盛期を迎える“ウロリ”は、“ゴリ(ヨシノボリの稚魚)”のことで、この辺りでは“ウロリ”と呼びます。成魚になっても1.5cmくらいのそうめんのように細く白い小魚です。
 “ウロリの若煮”は、沖島で水揚げされたウロリを昔から沖島の漁師の家庭に受け継がれている炊き方で炊き上げたものです。佃煮より短時間で炊き上げるので、柔らかく、また水飴等も使わないので、甘辛くてもあっさりとした味に仕上がります。
暑くて食が進まない時にも、ご飯が進む一品です。
 “ウロリの釜揚げ”は、ウロリが新鮮なうち(水揚げされて1時間以内)に釜揚げにしていただきます。ウロリは鮮度が落ちるのが早く、まさに漁の最盛期を迎える夏にしか味わえない一品です。
※“ウロリの若煮”は漁協婦人部湖島婦貴の会の屋台(漁協会館前)で販売中です
“うなぎの蒲焼き・白焼き” 
 琵琶湖産天然うなぎは、特大サイズのものが多く、肉厚で脂がとても良くのっています。夏のこの時期は、蒲焼き・白焼きが絶品です。
 特に白焼きは、うなぎ本来の味を楽しむことができます。また、ポン酢・生姜醤油で味わうのも、さっぱりしていて暑い夏にピッタリの一品です。


  
 《うなぎを炭火で焼いています》


         《ビワマスの刺身の調理例》

“ビワマスの刺身”
  初夏の頃から、ビワマスの漁が始まりますが、夏のビワマスは特に脂がのっています。
 この時期の新鮮なビワマスを、お刺身でいただくと“トロの刺身”といえるほどの味わいです。
“うなぎのじゅんじゅん”
 “じゅんじゅん”とは、この地方で言う“すき焼き”のことです。作り方は一般のすき焼きと同じですが、肉類等のかわりに“うなぎ”を入れます。食べ方も一般的なすき焼きと同様、溶き卵にからめたりして頂きます。
 また家庭では、写真のようにいろいろな具材を入れるのではなく、玉ねぎとうなぎだけですき焼き風にしたりもします。


 《うなぎのじゅんじゅんの調理例》

《参考文献》
「琵琶湖の幸 読本」 平成19年9月発行 滋賀県漁業協同組合

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