夏の沖島    H30年度・夏 
 春、見事に満開の姿をみせてくれた桜も、夏空に映える青々とした葉を茂らせる姿に様変わりし、暑さに負けない力強さを感じさせてくれています。
 今年は全国的に猛暑となっていますが、沖島でも例年より厳しい暑さとなっています。
 夏到来を告げる“うろり漁”も始まり、いよいよ沖島も夏本番です。そんな夏の風景とともにこの夏の話題をお届けします♪
 
平成30年・夏の話題
 
 10年目を迎えました♪ 『ふなずし手作り講習会』

 今年も御好評をいただいております『ふなずし手作り講習会』を琵琶湖汽船との共同企画で、7月13・15・17・19・23日に開催致しました。おかげさまで「ふなずし講習会」は今年10年目となり、こうして試行錯誤を重ねながら続けてこられましたのも、参加者皆様のご理解と暖かいご支援の賜物と感謝申し上げます。
 また、今年は10年目という記念すべき年にもかかわらず、塩切り鮒に適した大きさのニゴロブナがあまり獲れなかったため、講習会用の塩切り鮒が充分に確保できず、例年よりも回数を減らしての開催となりましたことお詫び申し上げます。
 今年の講習会は各開催日とも厳しい暑さの中での開催となりましたが、毎回、定員いっぱいとなる多くの方々にご参加いただきました。年々、リピーターの方々が増え、今年は約7割の方がリピーターとして参加されました。手つきの慣れた方々も多く、初めての方にお声かけして下さる方なども見え、各回とも大変和やかな雰囲気のなか講習会を進めさせていただくことができました。また、今年は10年目を記念して「くじ引き抽選会」をさせていただき、当選された方々には“沖島の佃煮セット”または“おきしまえびせんべい”をお持ち帰りいただきました。
 講習会の内容は、毎回10:20頃より始まり、午前中は塩切り鮒を洗い(磨き)、吊るし干しする作業をしていただきます。乾かしている間、昼食をとっていただき、午後(13:30)から漬け込み作業をしていただきます。今年の昼食タイムには、沖島の味満載の“沖島弁当(ビワマスの刺身・ビワマスのアラ汁付き)”(要予約)をご賞味いただきました。沖島の味をゆっくり楽しんでいただける一時を過ごしていただけたと思います。


“塩切り鮒の磨き作業”

“磨いた鮒を丁寧に洗います”

“丁寧な講習を心がけています”

“水気を拭いて干します”

“一匹ずつご飯を詰めます”

“昼食タイムの沖島弁当”
 鮒ずしを漬け込んだ樽は、お持ち帰りしていただくか、または漁協にて保管(有料)させていただきます。保管させていただいた樽は、食べ頃になった頃に樽から鮒ずしを取り出し、真空パックにしたものをダンボールに入れてご自宅へお送り致しております。鮒ずしは発酵食品ですので少しずつ発酵が進みますが、真空パックで冷凍保存していただけば、食べ頃の状態のまま長期保存ができます。年々、漁協での保管を希望される方も増えており、より手軽に鮒ずし作りを楽しんでいただけるのではないでしょうか♪

“塩切り鮒”
 ふなずし用の鮒は200〜300gぐらいの大きさのものが最適なのですが、今年はそのサイズのニゴロブナがあまり獲れませんでした。毎年最適なサイズで揃えて塩切り鮒を仕込むのですが、今年はやむなくサイズに許容範囲を持たせて仕込み、なんとかふなずし用の塩切り鮒を確保いたしました。そのため、サイズが大きいめの塩切り鮒に考慮して今年は漬け込み時間を例年より長くとることとし、樽だしは12月中旬頃を予定しています。例年より一ヶ月ほど遅い樽だしとなりますが、品質確保のためご了承いただけますよう、よろしくお願い致します。
 今年10年目を迎えた「ふなずし手作り講習会」ですが、当初は珍しかった講習会も最近では私ども以外でもいくつかの講習会が開催されるようになりました。その中でも沖島漁協・琵琶湖汽船共同企画の「ふなずし手作り講習会」を選んでいただける理由として
・「講習会と船旅の両方が楽しめるから♪」
・「昼食タイムにいただく婦人部(湖島婦貴の会)さんの沖島弁当が美味しい♪」
・「漬け込み用のご飯を用意してくれるのが手軽で楽に漬け込みできる」

“漁師のふなずし”
などのお声をいただいております。このようなお声を頂戴し、大変嬉しく思うとともに今に甘んじることなくより良い講習会を開催できるよう、この10年目という節目に心新たに取り組んで参りたいと思います。そして、この琵琶湖の伝統と恵みを次世代に引き継ぐ担い手として貢献できれば・・・幸いです。




 “うろり漁”始まり、漁も夏本番です!

 新緑映える夏空が広がる沖島で、漁も夏本番を迎え、夏の漁を代表する“ビワマス漁”、“うろり漁”も始まりました。
 7月20日から始まった“うろり漁”は順調で例年どおりの水揚げが見込めるのでは推測しています。
「ウロリ」とは“ゴリ(ヨシノボリの稚魚)”のことで、この辺りでは“ウロリ”と呼びます。成魚になっても1.5cmくらいのそうめんのように細く白い小魚です。ウロリは若煮のほか“釜揚げ”などでもいただきますが、“ウロリの釜揚げ”は、ウロリが新鮮なうち(水揚げされて1時間以内)に釜揚げにします。ウロリは鮮度が落ちるのが早いため、まさに漁の最盛期を迎える夏にしか味わえない一品です。そのほか、“小アユ漁”は春に引き続き昨年よりは良くなっているものの、若煮(佃煮)に手頃なサイズのものの水揚げが少なくサイズの大きいものが目立ちます。“本もろこ漁”は“春先までは豊漁だったのですが、ここのところサイズも小さくなって水揚げが減っています。この時期の本もろこは“夏もろこ”と呼ばれ脂がのっていて美味なのですが、今年は少し貴重なものになりそうです。同じくこの時期脂がのって“琵琶湖のトロ”とも称される“ビワマス”は、7月中旬の大雨が降った頃まではほとんど水揚げかなかったのですが、それ以降、水揚げされるようになっています。
 今年の春の漁といい、このところ予想外の漁の状況に困惑することが多いのですが、この夏は平穏な夏であってほしいと願うばかりです。

 この夏の沖島です♪

 この夏の沖島の風景(島内・桜トンネル・島の西側から望む風景)をお届けします♪
   
 
   

 沖島の新名所!?

 この夏、沖島の新名所?が完成する予定です。漁協会館近くの空き地に滋賀県立大学の建築学部のみなさんが“休憩所”を制作して下さっています。
 環境に配慮し流木のみを使って制作されています。出来上がると10畳ほどのスペースの休憩所になるそうです。完成は8月中のということで、どんな休憩所になるか楽しみです♪

  

 沖島の夏は、初夏の頃から、ビワマス、ウナギ漁が始まり、7月に入ってウロリ漁も最盛期を迎えると、いよいよ夏本番です。  
“カラフルな漁網”
 漁網の手入れは日々行いますが、漁網の染色は、夏の暑い時期に行います。夏の日差しが染色した漁網をよく乾かしてくれるからです。
 最近は、カラフルな色に染め上げるのが流行で、港のあちらこちらに漁網のカラフルな花が咲きます。夏到来を告げる風景のひとつです。

 
“ふな寿司の漬け込み”
 夏の土用の暑い日に鮒寿司の漬け込みをします。春に卵を抱えた“ニゴロブナ”をウロコと内臓を取って塩漬けしておいたものを、いよいよ米飯で漬け込むのです。
 夏の土用の頃に行うのは、ふな寿司は最初に発酵を進めることが重要で、この夏の暑さが最適だからです。
 こうして、漬け込まれたふな寿司は、11月下旬〜年末年始にかけて食べ頃を迎えます。

 今年も“ふな寿司の手作り講習会”を行いました。写真をクリックすると講習会(H21年度開催)の様子が御覧いただけます。
“ここをクリック” 
      《桶に漬け込まれていくふな寿司》
  写真をクリックして下さい

夏ならではの味  

  “ウロリの若煮(佃煮)”&“ウロリの釜揚げ”
 夏に漁の最盛期を迎える“ウロリ”は、“ゴリ(ヨシノボリの稚魚)”のことで、この辺りでは“ウロリ”と呼びます。成魚になっても1.5cmくらいのそうめんのように細く白い小魚です。
 “ウロリの若煮”は、沖島で水揚げされたウロリを昔から沖島の漁師の家庭に受け継がれている炊き方で炊き上げたものです。佃煮より短時間で炊き上げるので、柔らかく、また水飴等も使わないので、甘辛くてもあっさりとした味に仕上がります。
暑くて食が進まない時にも、ご飯が進む一品です。
 “ウロリの釜揚げ”は、ウロリが新鮮なうち(水揚げされて1時間以内)に釜揚げにしていただきます。ウロリは鮮度が落ちるのが早く、まさに漁の最盛期を迎える夏にしか味わえない一品です。
※“ウロリの若煮”は漁協婦人部湖島婦貴の会の屋台(漁協会館前)で販売中です
“うなぎの蒲焼き・白焼き” 
 琵琶湖産天然うなぎは、特大サイズのものが多く、肉厚で脂がとても良くのっています。夏のこの時期は、蒲焼き・白焼きが絶品です。
 特に白焼きは、うなぎ本来の味を楽しむことができます。また、ポン酢・生姜醤油で味わうのも、さっぱりしていて暑い夏にピッタリの一品です。


  
 《うなぎを炭火で焼いています》


         《ビワマスの刺身の調理例》

“ビワマスの刺身”
  初夏の頃から、ビワマスの漁が始まりますが、夏のビワマスは特に脂がのっています。
 この時期の新鮮なビワマスを、お刺身でいただくと“トロの刺身”といえるほどの味わいです。
“うなぎのじゅんじゅん”
 “じゅんじゅん”とは、この地方で言う“すき焼き”のことです。作り方は一般のすき焼きと同じですが、肉類等のかわりに“うなぎ”を入れます。食べ方も一般的なすき焼きと同様、溶き卵にからめたりして頂きます。
 また家庭では、写真のようにいろいろな具材を入れるのではなく、玉ねぎとうなぎだけですき焼き風にしたりもします。


 《うなぎのじゅんじゅんの調理例》

《参考文献》
「琵琶湖の幸 読本」 平成19年9月発行 滋賀県漁業協同組合

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