“ふな寿司漬け込み体験”

 “ふな寿司”は、滋賀県を代表する名産品で滋賀県の無形民俗文化財にも指定されています。
 先日、その“ふな寿司”の漬け込みを体験していただこうと、沖島漁業協同組合琵琶湖汽船のタイアップ企画として、“ふな寿司漬け込み体験会”を開催いたしました。

 その時の模様を今回、行われたふな寿司の漬け込み手順とともに御紹介いたします。

  ◆ 塩漬け(塩切り)しておいた“ニゴロブナ”

 春に獲れた琵琶湖産の天然の“ニゴロブナ”をウロコと内臓を取り、夏の土用の頃(3ヵ月以上)まで塩漬けにしたものです。
 春の“ニゴロブナ”は卵を抱えており、ふな寿司の中でも特に美味とされます。
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◆ 塩切りしたフナを丁寧に洗う。 
 塩切りしたフナの塩を出来る限り、丁寧に流水で洗い流します。
 この時、腹腔内にある卵巣(卵)を流さないように気をつけながら、腹腔内まできれいに塩を洗い流します。(写真左)
 次に流水で魚の表面に残っているウロコを完全に取り除き、「たわし」を使って魚全体が青光りするまで、根気よく磨き上げます。(写真右)
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◆ 洗ったフナを干して乾燥させる。
 磨き上げたフナを、ふきん等で水分を十分に取り除き、写真のような靴下干しに頭を下にして吊り下げ、風通しが良い日陰で干します。(数時間程度)
☆ この間を昼食タイムとし、漁協婦人部“湖島婦貴の会”の皆さんが作った“沖島ならではのお弁当”をいただきました。

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◆ 米飯をフナに詰める。
 干して乾いたフナにご飯を詰めます。
 まず、手水(お酒)をして、大きなおにぎりを作ります。
 次に桶の中にビニール袋を入れ、その中に作ったおにぎりを2〜3cmの厚さになるように敷き、よく押さえて均します。
 桶の準備が出来たら、前記のようにおにぎりを作り、フナの腹腔内や(えら)ぶたの下に詰めます。この時、卵巣(卵)を潰さないように注意して詰めていきます。また(えら)ぶたの下には、ご飯がはみ出すくらいたくさん詰めます。
↓ ★沖島の家庭では・・・
 手水には酢または水を使い、おにぎりは塩を使ってにぎるのが主です。
◆ ご飯を詰めたフナを桶に並べて漬け込んでいく。
 ご飯を詰めたフナは、重ならないように並べ、その上に、フナが隠れる程度にご飯を隙間がないように敷き、強く押さえます。
 この作業を繰り返し、何層にもしていきます。(写真左)
 最後に、ご飯をかぶせてビニール袋を閉じ、しっかりと押さえます。(写真右)

★ 沖島の家庭では・・・
 最後に、ご飯をかぶせて強く押さえたら重石をして1〜2日置き、ご飯がしっかり固まってきたら、水を張ります。
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◆ “ツダ(太縄)”を桶の内周に沿わせて置く。
 ビニール製のロープを三つ編みにして作った“ツダ(太縄)”を桶の内周に沿わせて置く。これは、発酵が進み水分が出てきたときに内蓋の周りが浮かないようにするために行います。(写真左)
 その上に内蓋をのせます。(写真右)
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◆ 重石をのせ、外蓋をして漬け込み終了。
 重石をのせ、外蓋をして漬け込みは終了です。食べ頃を迎えるまでは蓋を開けません。
 漬け込まれた“ふな寿司”は、12月末頃に食べ頃を迎えます。


★ 沖島の家庭では・・・
  漬け込むときに水を張るため、家庭により回数は異なりますが、漬け込んでから食べ頃になるまで、水を足しながら水を替えて行きます。
《参考文献》
「琵琶湖の幸 読本」 平成19年9月発行 滋賀県漁業協同組合

 このような感じで“ふな寿司漬け込み体験会”は、好評をいただきました。
 また、今回の“ふな寿司”の漬け込み方法は、マンション等の住宅環境でもできるようにと考慮されたものです。そのため、沖島の家庭で行われている方法とは、若干、異なるところもありますが、実感はしていただけたかと思います。
 今回は、初めてということもあり1回限りの開催でしたが、大変、好評をいただきましたことから、来年は回数を増やして、ご案内できればと考えております。どうぞ、ご期待ください。

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