“秋”の沖島   
 “地蔵盆”が過ぎ、わかさぎ漁が始まると、そろそろ秋の気配を感じ始めます。
 沖島の秋は湖の恵み・山の恵みと、まさに
“実りの秋”です。また秋祭り等の行事が行われ、様々な恵みに感謝をする季節でもあります。
 そんな“秋の沖島” に足を運んでみませんか・・・



平成25年・秋の話題
 10年ぶりに“イサザ”豊漁!!

 今年は10年ぶりに“イサザ”が琵琶湖に戻ってきました。もともと7〜8年くらいの周期で漁獲量が変動する湖魚なのですが、最近では10年近く獲れなかったことから“幻の湖魚”とも言われています。
 “イサザ”は琵琶湖固有種で成魚は全長5〜8cmくらいになり、下あごが上あごより出ていてハゼに似た姿をしています。体は淡い飴色をして頭部には淡黒色の斑点が密にあり、第一背びれの後端に黒色斑があるのが特徴です。
 沖島の“イサザ漁”は、夜明け前から朝にかけて「底びき網漁」で行われます。明るさを嫌うのか曇天の時のほうが水揚げが多いようです。今の時期はふ化して間もないため2〜3cmくらいのものが多く、年明けには6〜7cmくらいまで成長します。それ以降2年間くらい成魚ばかりが水揚げされますが、また姿を消してしまうことでしょう。イサザがあまり知られないのは、このような生態から流通させるのが難しいことが要因と言えます。

     “イサザ若煮”
 沖島では、この“イサザ”を主に「若煮」にしていただきます。新鮮なイサザを大豆とともに甘辛く短時間で炊き上げたものです。また、生のまま澄まし汁に入れ「お吸い物」にしてもいただきます。若煮に比べ、より一層“イサザ”独特の風味が味わえる一品です。
 今年は
“10年ぶりの琵琶湖の味”を楽しめる秋・冬になりそうです♪
※ “イサザ若煮”は湖島婦貴の会の屋台(漁協会館前)で販売して
 おります。また通信販売もしております。
 詳しくはこちら…“沖島家庭の味”宅配便
〈参考文献〉
 H19,9月発行「琵琶湖の幸 読本」 滋賀県漁業協同組合連合会


“漁師の鮒ずし”樽だし♪

 今年(H25年)の夏、『ふなずし手作り講習会』で漬け込んだ“ふなずし”が食べ頃を迎えました。今年も例年同様、美味しく仕上がっています。
 昔、ふなずしは「夏の土用に漬け込んで、年末に食べ頃になる」と言われていましたが、最近では、気温の高い時期が長いせいか、発酵の進み具合が早いようで、11月頃には食べ頃になるようです。
 樽だしした“ふなずし”は冷凍保存すれば発酵が進まないため、まろやかな状態のまま、長く味わっていただけます。

 沖島漁協では、今年(H25年)の夏、漬け込んだ
新物の“鮒ずし”を 販売いたします。昨年も「食べやすい♪」と大変ご好評いただきました。価格もお求め安くなっております。ぜひ、ご賞味くださいませ。
詳しくはこちらから・・・


 また、販売する“ふなずし”は「ふなずし手作り講習会」で行われている方法と同じ方法で、漬け込んだものです。「ふなずし手作り講習会に参加してみたいけど、どんなものができるの・・・?」とお考えの方、ぜひ、この機会にお試しください。

 今年の紅葉

 10月初旬頃まで、真夏日があったりしたせいか・・・今年は、昨年よりも紅葉が遅いようです。
 瀛津島神社の紅葉も“そろそろ・・・♪”というところでしょうか。(2013.11.13撮影)


 湖が荒れるサイン“虹”

 雲行きが怪しい空にきれいな“虹”が出ています。一般的に“虹”はよいイメージを持たれますが、沖島では昔から「虹が出たら湖から早く上がれ、漁には出るな!」と言い伝えられ、琵琶湖の漁師にとっては“湖が荒れるぞ〜!”という悪い知らせでもあります。言い伝え通り、この後、風雨になりました。



 ここからは、例年の“秋の沖島”の様子をご紹介しております 
 

◆ 紅

  10月後半から11月中旬にかけて、沖島の山々も色彩豊かに彩られます。その中から絶景ポイントをご紹介いたします。
 ※ 写真はH21年11月中旬に撮影したものです。
◇ 瀛津島神社(おきつしまじんじゃ)


 紅葉に彩られた“瀛津島神社(おきつしまじんじゃ)”は、厳かな中にも温かみがあり、趣き深いものがあります。


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                     風景写真  
◇ ケンケン山


 ケンケン山に登っていく途中の紅葉も美しく、また、「お花見広場」からは、比良山系・比叡山が望めます。


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                    風景写真
◇ ホオジロ広場


 ケンケン山「お花見広場」から山道を暫く歩くと“ホオジロ広場”に到着します。
 ホオジロ広場からは、沖島の西側を展望することができます。

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                    風景写真
◇ 蓬莱山の頂上


 沖島で一番標高の高い蓬莱山の頂上からは、琵琶湖を見下ろすことができ、また湖東の景色を一望することができます。 ここから見る対岸の風景は評判です。



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                    風景写真
◆ 秋の行事  
◇ 秋祭り

 毎年9月下旬から10月初旬頃に、さまざまな収穫に感謝をし“瀛津島神社”、“弁財天(厳島神社)”で行われます。
 昔から、秋の収穫期にあたる頃に行われるため、春より簡素な形で行われてきました。現在では、「子供みこし」も催されるなど、内容は昔と様変わりしたところもありますが、感謝する気持ちは受け継がれています。
 また、“弁財天”では、お祭りの前日、夕方頃から船で、神主さんとともに氏子、その子供達がお供えにお赤飯を持って参拝する風習があります。参拝後、お供えしたお赤飯で“おにぎり”を作ってもらって頂きます。島の子供達の秋祭りの楽しみのひとつです。この風習は今でも大切に受け継がれています。
                 
◇ 先覚者の法要
 
 昭和27年(1952)、沖島漁協に功績のあった方々を称え、“沖島先覚者碑”が建立されました。毎年、秋祭りの初日に先覚者の方々に感謝をし、ここで法要が営まれます。

◇ 島の運動会

 毎年、沖島小学校と合同で行います。世代を超えて楽しめるイベントです。
◇ 魚貝類の虫供養

 毎年、“先覚者の法要”と同日に漁に感謝をし、獲った魚貝類を供養するために行われます。
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