“冬”の沖島   H29年冬
  沖島の冬は、寒さが厳しく、天候によって漁に出る日も少なくなります。
 厳しい季節のなかで、島民は
左義長祭り、獅子舞などの行事で一年の息災を祈り、また先人の知恵をかり保存食を作ったりして、暖かな春を待ちます。  


平成29年・冬の話題

 
今年も沖島に寒さ厳しい冬がやってきました。1月の下旬(23〜25日)には数十年ぶりの大雪となり、島中が深い雪に包まれました。天候が安定しないため、なかなか漁に出られないこともあり、湖魚の水揚げ量も少なくなっています。また、今年の“左義長祭り”も、うっすら雪景色のなか行われ、一年の無病息災を祈りました。そんな暖かな春が待ち遠しい沖島から、いくつか話題をお届け致します。

 数十年ぶりに40〜50cmの積雪 島民びっくり! 琵琶湖は…♪

 1月の下旬頃(23〜25日)、沖島では数十年ぶりの積雪にみまわれました。沖島では年に2、3回くらい雪が降るのですが、今回のように無風状態でしんしんと降り続くのは珍しく、40、50cmもの雪が積もったのは実に30年ぶり…いや、もっとだという声も聞こえてくるほど、島中でびっくり!!でした。
今回のように自転車が埋まるほどの積雪は稀なため、慣れない雪掻きに奮闘し、特に漁船の雪掻きはバランスを保ちながら慎重に行わないと船がひっくり返る恐れがあるため、大変な思いを致しました。
 しかしながら、琵琶湖にとっては“プラス”になるかもしれません。冬場に雪が多いと琵琶湖は大きな“深呼吸”ができるからです。雪や雪解け水が流れ込むことで、その水温差から琵琶湖の湖水が循環し水が入れ替わります。そのため水質が改善され、湖魚にとっても良い生育環境となるのです。今回の数十年ぶりの大雪は、琵琶湖の深呼吸に一役かってくれそうです♪

 冬の漁、天候不順により漁獲量減少…



“氷魚(ヒウオ)”
 今年の冬の漁は、天候が安定しないため漁に出られないことが多く、現時点では全体的に漁獲量が減少しています。
 特に“氷魚(ヒウオ)”が極端に少なく目標とする漁獲量に達していません。“氷魚(ヒウオ)”とは、稚アユのことで体が透き通って見えることから“氷魚”とも呼ばれています。稚アユ漁は、この時期にエリ漁・おいさで漁・やな漁という生かして捕る漁で行われ、養殖用や放流用の種苗として利用されています。今年は極端に漁獲量が少ないため「特別採捕」として沖曳き漁で生かして捕ることが認められ、2月いっぱい行われることになりました。このように例年になく漁獲量が少ない原因として考えられるのは、天候により成長の時期がずれ込み、網に入る大きさになっていないためではないか…と言われています。このことから、春頃には通常の大きさまで成長し獲れるようになるのでは…(水産試験場談)と期待されています。

“子持ちホンモロコの南蛮漬け”
 また、3月に入ると“ホンモロコ”が子持ちになり、水温が上がってくると産卵のため岸に近づいてくることから、本格的な漁が始まり水揚げ量も増加が期待されます。ひな祭りの頃に獲れるものは“ひなもろこ”と呼ばれ、特に美味しいといわれています。ぜひ、一度ご賞味くださいませ。

※“ホンモロコの南蛮漬け”等は通信販売でお買い求めいただけます。
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“沖島家庭の味”宅配便


《参考文献》
「琵琶湖の幸 読本」平成19年9月発行 滋賀県漁業協同組合連合会
 

 1月15日“左義長祭り”が行われました

 1月15日に「左義長祭り」が今年も滞りなく行われました。今年は前日に雪が降ったので、うっすら雪景色の中で行われました。そのためか…観光客の方は例年の三分の一くらいでしたが、皆さんとともに一年の無病息災を祈りました。
 沖島の左義長祭りは、その年に元服を迎える男子が元服を済ませた男達に様々な試練を与えられ、一人前の男として認められる、いわば…青年団に入る前の儀式のような意味合いもありました。現在は元服を迎える若者が毎年いないため、自治会と島の子供達が中心となり、五穀豊穣、大漁、無病息災、勉学などの祈願を込めて島民皆が参加するお祭、島の楽しみの一つとなっています。

 お知らせ

◆ “塩切り鮒の予約販売”開始!
 毎年、ご好評をいただいております「塩切り鮒の予約販売」を開始致しました。
 ご家庭で手軽に“ふなずし作り”を楽しんでいただけるよう、ふなずし作りの工程で最も手間のかかる塩切り(塩漬け)までしてありますので、後は夏の土用の頃(9月頃まで可能)に漬け込みしていただけば、年末年始頃には美味しい“ふなずし”を楽しんでいただけます。詳しくは
「塩切り鮒の予約販売」のページをご覧下さい。

◆ “沖島 桜まつり”今年も開催する予定です♪
 沖島漁協婦人部「湖島婦貴の会」では、今年も、昨年、大変ご好評いただきました“沖島 桜まつり”を開催させていただきます。
 沖島では、春になると島のあちらこちらで桜が満開となり、“桜色の島”となります。特に島の西側は見事で“桜のトンネル”と言われ、ちょっとした名所となっています。
 桜色の沖島で郷土料理に舌鼓み・・・そんなお花見はいかがでしょうか♪
 また、昨年の秋に“桜トンネル”に沿って『安全柵』が設置されました。今まで堤防も手摺りもなかったため安全面で懸念がありましたが、今年からは、安全にお花見をより一層楽しんでいただけることと思います。
 開催日時など詳細は決まり次第、ホームページ等でご案内いたします。
※沖島の桜の様子は“桜アルバム”でご紹介しています。

◆ 3月18日(土) 映画『Mother Lake』沖島上映会を開催

 H29年3月18日(土)に“映画『Mother Lake』沖島上映会”を開催いたします。
 この映画は琵琶湖を舞台に繰り広げられるヒューマンドラマで、沖島でもロケが行われました。このたび、来春の全国ロードショーに先駆けて沖島で上映会が開催されることとなりました。映画館とはひと味違う、ロケ地での映画鑑賞はいかがですか♪
★会場 沖島漁業協同組合 多目的室
★鑑賞料金 大人1,000円 小学生以下500円
★募集定員 60名
★日程 13:30〜 開場受付
14:00〜 トークショー 
   ※参加費は映画鑑賞料金に含む。ゲストは瀬木監督、SAAYAの予定
14:30〜 上映開始
★交通アクセス 『http://www.biwako-okishima.com/』をご参照ください。
 ※ ご来場の際は沖島連絡船(往復乗船料別途要)にて堀切港から乗船ください。
 ※ 通船は便数および定員も少ないのでご注意ください。
★お申込み・お問合せ マザーレイクの会 佐々木 TEL.090-4763-2336
Mail:a-sasaki@katte-kimama.twinstar.jp
※規定定員になり次第、受付終了となります。

◆ 沖島の冬の風物詩 “獅子舞”
 沖島の冬の風物詩としてご紹介している“獅子舞”が、今年は
3月5日(日)に行われる予定です。
“獅子舞”は、古くから伝わる沖島の年中行事のひとつで、各家庭を廻った後、漁港近くの広場で余興が行われます。(詳しい内容は、下記の『冬の風物詩』のコーナーでご紹介しています。)
 ぜひ、この機会に沖島へ足を運んでみませんか♪

冬の風物詩 〜〜ここからは例年の冬の沖島の様子をご紹介しています〜〜

 沖島の左義長祭り

 沖島の左義長祭りは、一人前になる行事(17才の元服)として昔から行われています。
 元服とは、かつての武士階級で、男子なら十三才から十七才までの間に行われる、今で言う成人式のような儀式で「加冠の儀」といい、それが済むと大人の仲間入りをし、一人前の武士として出陣する資格を得たそうです。
 沖島の左義長祭りは、その年に元服を迎える男子が元服を済ませた男達に様々な試練を与えられ、一人前の男として認められる、いわば…青年団に入る前の儀式のような意味合いもありました。
 今では、元服を迎える若者が毎年いないため、自治会と島の子供達が中心となり、五穀豊穣、大漁、無病息災、勉学などの祈願を込めて島民皆が参加するお祭、島の楽しみの一つとなっています。
“だんぶくろ”飾り

 年が明けると島全体で左義長祭りの準備が始まります。飾り付けをする竹を島民皆で集め、飾りの準備をします。男の子のいる家庭では吉書(きっしょ)さん”、女の子のいる家庭では“だんぷくろ”という飾りを作ります。この“だんぶくろ”は沖島ならではと言われており、「お裁縫が上手になりますように…」との願いを込めて一針一針、色紙を縫い合わせて作ります。
 そして、左義長祭の当日、お手製の飾りを竹に飾りつけ、広場に積み上げていきます。
    “飾り付けされた竹”


  “広場に積み上げられた竹”

“家族で飾付けをする島民”                   
  当日、公民館では、自治会と子供達が中心となり儀式を行なった後、飾り付けた竹を持って瀛津島神社へと上がります。
 瀛津島神社へ上がると、子供達は、ゆっくりと数回境内を回って神社を下り、左義長に火を入れる広場へと向かいます。
 以前は、元服する男子が瀛津島神社から下る際、行かせまいと青年団が邪魔をするなどして小競り合いをしました。神社の階段がとても急なため、島民はハラハラしながら見守ったものです。

“島の細い道を瀛津島神社へ
上がる子供達”


 “神社の境内を回る子供達”


 “広場へと向かう子供達”
 広場へ到着すると、いよいよ五穀豊穣、大漁、無病息災、勉学などの祈願を込めて、左義長に火が入れられます。その火を囲み、火が消えるまで島民の談笑が続きます。


“火を起こし左義長に火を入れます”
 
 “勢いよく燃え上がる左義長”
 獅子舞 

 島の年中行事の一つで、島の男子は、元服を済ませた翌年18才になると“獅子舞若連中”といい、伊勢大神楽講社の一行を迎えて、島中一軒一軒の“カマド払い”をします。
 この獅子舞は、鎮火守護の祈りの行事として古くから伝えられ、毎年2月から3月に行われます。午前中は各家庭を回ってお払いをしていただき、午後からは広場で獅子舞、余興が行われます。
 その見物に欠かせないのが“サト豆”というあられを砂糖で固めたお菓子です。「獅子舞の豆を食わんと良い日が来ん(春らしい日が来ない)」といわれ、今でも続く行事です。
 現在では、獅子舞若連中ではなく、決められた人が一行の送迎を行っています。

  
冬の味覚

 沖島の冬の味覚といえば、“わかさぎ”です。漁は8月下旬ころから始まりますが、冬の時期には、10〜15pほどの大きさに成長した子持ちのわかさぎが獲れます。
“わかさぎ”は骨が柔らかい湖魚で、天ぷら、南蛮漬けなどの料理に適し、また、この時期のものは子持ちなので“一夜干し”も大変美味です。
 また、この寒い時期を利用して、“お漬物”、“かきもち”などの保存食を作ります。お漬物作りは、ほとんどの家庭で行われているお正月前の年中行事のようなもので、自前の畑で採れた野菜を使って漬けます。
 ここでは、“わかさぎの一夜干し”“かきもち”、また年中食べられていますが、おせち料理の一品としても作られる“えび豆”をご紹介いたします。
◇ わかさぎの一夜干し
 
“わかさぎの一夜干し”は、塩水(水の量に対し1%の塩)にお酒を適量入れ、洗ったわかさぎを、そのまま3時間程度漬け、漬けたものを一晩、軒下等に陰干しにして作ります。
 一夜干しのわかさぎは、火が通る程度まで焼いて頂きます。海の干物とは、ひと味違う格別な味わいです。
 “わかさぎの一夜干し”は、なんといっても、わかさぎの鮮度が命です。獲れたての“わかさぎ”が手に入る沖島ならではの逸品です。

         《わかさぎの一夜干し》
◇ えび豆

  “えび豆”は、スジエビの代表的な料理で、日常的に作られますが、「腰が曲がるまでマメに暮らせますように・・・」と、おめでたい時やおせち料理のひと品としても、よく作られています。
 味・作り方は、各家庭で少しずつ違いがありますが、味は甘辛く、エビ豆の作り方の特徴として、大豆は柔らかく茹でたものを加え、エビがあまり硬くならないように短時間で炊き上げます。 

  ※ “えび豆”は通販でお買い求めいただけます。
     詳しくはこちらへ・・・
◇ かきもち

 “かきもち”は、昔から沖島の家庭で作られている保存食のひとつです。
 お餅をつくときに海苔、黒砂糖など入れて味付けし、切れる程度に四角く固めた餅を薄く(2〜3o程度)切り、藁で編んで吊るして、3ヶ月くらい部屋の中で干します。“かきもち編み”といわれ、どの家庭でも見られた光景です。
 作り方が餅つき機を使ったり、味付けをエビマヨ味(干しえびとマヨネーズ)にしたりと、昔とは少し変わりましたが、今でも多くの家庭で作られています。

《参考文献》
・ 「沖島物語」 西居正吉 著


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